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イチゴ、夏場の育苗不調 静岡県特産、クリスマス需要に影響懸念

(2020/10/21 17:00)
育苗専用のハウスで苗の状態を確認する鈴木薫さん。長雨の影響は最小限にとどめたが、「来年以降も厳しい気候が続くと覚悟するしかない」と話す=14日、掛川市
育苗専用のハウスで苗の状態を確認する鈴木薫さん。長雨の影響は最小限にとどめたが、「来年以降も厳しい気候が続くと覚悟するしかない」と話す=14日、掛川市

 静岡県特産のイチゴ栽培で、育苗の不調が深刻化している。原因は夏場の記録的な長雨や猛暑。イチゴ栽培は「苗半作(なえはんさく)」と呼ばれ、苗の出来で作柄の大半が決まるほど育苗の比重が大きい。毎年のように発生する異常気象への対応が喫緊の課題になっている。
 「今年の雨は最悪だった」。7日、県内のトップを切ってイチゴ品種「紅ほっぺ」をJA遠州夢咲の集荷場に持ち込んだ鈴木薫さん(70)=掛川市=。表情には初出荷の喜びではなく苦労の色がにじんだ。
 7月の掛川の降水量は750ミリで平年の約3・5倍。十分に日光を与えて苗を成長させる時期に悪条件が重なった。同JAは県内最大級の33ヘクタールの栽培面積を誇るが、多くの農家が十分な苗の数を自力で用意できず、営農担当者が調整に追われたという。
 JA静岡経済連野菜花卉(かき)課によると、こうした苗不足は全県的に生じている。県内の2018年の定植本数は960万本、19年は907万本。いずれも台風など天候不順の影響を受けて例年より少なかったが、今年はさらに下回る可能性がある。近年は残暑で定植時期が遅れている上、今季は深刻な育苗不調も重なったため、ケーキなどクリスマス需要への影響も懸念されている。
 年々厳しくなる暑さへの対策で水やりを増やしつつ、苗が枯れやすくなる多湿を避けなければならず、管理は難しくなる一方だ。同課技術コンサルタントの渥美忠行さん(59)は「イチゴは苗半作ではなく“苗八分作”」と強調し、育苗専用施設の確保やかん水方法の改善を農家に呼び掛ける。

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