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静岡県内信金、進む支店のサテライト化 法人対応は母店に集約

(2020/10/19 18:00)
支店のサテライト化を告知するチラシ。法人向け業務が多様化し、静岡県内信用金庫で企業融資などを母店に集約する動きが加速している=9月下旬、沼津市の沼津信用金庫金岡支店
支店のサテライト化を告知するチラシ。法人向け業務が多様化し、静岡県内信用金庫で企業融資などを母店に集約する動きが加速している=9月下旬、沼津市の沼津信用金庫金岡支店

 静岡県内の信用金庫が今年、業務を個人客の預貯金やローンに特化し、企業への融資などを近隣の大規模店(母店)に集約する支店の「サテライト化」の動きを加速させている。12月末までの1年間の導入は7信金で22支店。「個人」と「法人」に業務を分け、地域に密着した金融を維持しながら高度・多様化するニーズに対応する。
 沼津信金は10月から、沼津と御殿場、裾野の3市の郊外にある3店舗をサテライト化し、1~2キロ離れた中心市街地の母店の傘下とした。同信金担当者は「法人向け業務を担当する渉外職員が常駐しなくても、母店でカバーできる距離。お客さまにも不便を掛けない取り組みで、全国的にも導入する金融機関が増えている」と説明する。
 県内信金では、過去10年以上にわたる導入実績とほぼ同数の支店のサテライト化が、この1年で一気に進む。各信金が理由に挙げるのは多様化する役割への対応。近年は従来の中小企業への資金融資ばかりでなく、事業承継や起業支援などの新たな業務にも力を注いでいる。法人向けの対応を母店に集約して専門性を高め、サービス向上を目指す。県東部の別の信金は「少子高齢化や人口減少で地域経済が厳しさを増し、渉外職員には幅広い支援を展開できるだけの高い手腕が求められるようになった。法人融資に専従する職員が1人や2人程度の小規模支店では、太刀打ちできない。サテライト化は時代に即した取り組み」と明かす。
 地域密着を掲げる信金としての事情もある。昨年合併した島田掛川信金は、今年7月と10月に計8支店をサテライト化した。合併に伴って3支店を廃止するほか、旧島田と旧掛川で競合していた市街地の6支店を店舗内店舗化した一方で、郊外型の小規模支店は極力残した。同信金経営企画部は「信金の個人口座の場合、年金の受給先や日々の生活費の預入先としている高齢者が多い。採算性だけで統廃合し、地域に金融機関が一つもない状況は避けなければいけない」と話す。

 <メモ>金融機関の支店サテライト化 サテライト化は約20年前から導入が始まった。都市部や中心市街地にある本店や大規模店舗(母店)がエリア全体のフルバンク機能を担い、周辺の住宅地などに立地する小規模店舗(サテライト店)は個人客の預貯金や住宅・教育ローンといったリテール部門に専従する。法人向け業務を担当する渉外職員が母店に集約されて効率化やノウハウの蓄積が期待できる。

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