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自動車整備、外国人が戦力に 長期定着へ語学教育を強化

(2020/9/18 17:20)
自動車の点検作業に汗を流すミャンマーの技能実習生(左)=8月下旬、浜松市東区
自動車の点検作業に汗を流すミャンマーの技能実習生(左)=8月下旬、浜松市東区

 技術者の慢性的な不足と高齢化を背景に、県内の自動車整備業界で留学生や技能実習生など外国人の受け入れと人材育成が広がっている。新型コロナウイルスの収束が見通せない中でも人材の引き合いは今後も強いとみられ、整備士養成校で外国人枠を拡大する動きが出ている。整備技術の向上には日本語の語学力も欠かせず、受け入れ企業や養成校は技術だけでなく語学教育の強化を課題に据える。
 8月下旬、ミャンマーの技能実習生ボーボーゾーさん(25)は猛暑の中、勤務する浜松市東区の車検作業所で自動車部品の交換や点検をてきぱきとこなした。大学卒業後、現地の整備学校と日本語学校で1年間学び、1年半前に来日。今秋には日本の3級整備士資格を取得予定で「毎日やりがいがある」と目を輝かせる。
 同国から自社の技能実習1期生として計5人を採用した坂井モーター(同区)の坂井光蔵社長は「彼らは既に漢字で業務日報を書く。整備技術も日本語も高めて活躍してもらう」と期待する。
 業界関係者によると、外国人留学生や技能実習生を雇用する県内のディーラーや整備工場は全体の1~2割とみられ、年々増えているという。
 5年前に県内で初めて留学生専門の養成科を設置した静岡工科自動車大学校(静岡市葵区)は、2年前に25人だった1学年の定員を昨年40人、今春は60人に急拡大。富士メカニック専門学校(小山町)も昨年度、留学生の養成科を新設した。
 静岡工科の生徒は国内の日本語学校経由で入学する上、通常2年の整備課程を3年制にすることで長く日本語能力を磨く。同校の教員は「企業側に『外国人だから』という抵抗感はなくなっている。それだけに、就職したら日本語で顧客と意思疎通できる力が問われる」と強調する。
 今年はコロナ禍で実習生らが本国で足止めされ来日が遅れるケースもあるが、県自動車整備指定工場会の中村泰之会長(浜松市西区)は「若い外国人は現場で必要とされ、長期的に見れば今後も減らないだろう」と指摘。「一定数の外国人が長く日本で働くことを前提に、受け入れ企業も待遇や教育の在り方を考えていかねば」と話す。

 <メモ>日本自動車整備振興会連合会が2019年、全国の自動車整備業者約8200社を対象に行った初の外国人実態調査によると、外国人を雇用している企業は5・7%。雇用予定が3・1%、検討中が9・6%だった。日本人を含む全国の自動車整備士数は19年時点で約33万6千人、平均年齢は45・5歳。日本人の人手不足と高齢化が同時進行しているという。

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