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静岡県と13金融機関、中小企業の事業承継支援で協定締結へ

(2020/8/3 15:00)
連携協定のイメージ
連携協定のイメージ
県内企業の後継者不在率
県内企業の後継者不在率

 静岡県は中小企業の事業承継を支援するため、県内に拠点を置く4地方銀行・9信用金庫と連携協定を結ぶ方針を固めた。新型コロナウイルスに伴う景気後退で廃業を決断する経営者の増加が懸念される中、取引先の経営課題や人材ニーズを把握する金融機関との情報共有を推進して円滑な引き継ぎにつなげる。
 親族内承継とともに、M&A(企業の合併・買収)などの第三者承継を強化する。日常的に地域企業との関わりが多い金融機関と連携体制を構築することで、企業の多様なニーズにきめ細かく対応する。経営者に準備状況などを尋ねる「事業承継診断」に積極的に取り組み、課題を洗い出しながら適切な支援方法を提案する。
 事業承継は後継者の選定から交代まで長い準備期間が必要とされ、「親族内承継では5~10年、第三者承継では1~2年かかる」(県経営支援課)。承継先の選択肢を広げるため、今年秋に創業希望者を対象にした「後継者養成塾」を県東部で開く。経営者に必要なノウハウや心構えを身につけてもらい、事業を引き継ぎたい中小企業とマッチングを図る。商工団体で事業承継を支援する経営指導員向けの研修も実施し、地域の枠を超えて人材の情報を共有する。
 県内の自治体や商工団体などでつくる「県事業承継ネットワーク」が2019年度に実施した事業承継診断は6700件で、前年度から469件増えた。事業承継の関心は高まっているが、経営者の高齢化や後継者難で廃業に追い込まれる企業は多い。新型コロナの収束が遠のけば増加に拍車が掛かる可能性もある。
 県は「事業承継支援の中心となっている金融機関との連携を強化し、後継者不在による廃業を防ぎたい」(経営支援課)としている。

 ■県内企業58% 後継者不在
 県内で事業承継は大きな課題となっている。帝国データバンク静岡支店が2019年にまとめた調査によると、県内企業の後継者不在率は58.8%だった。従業員が少ない企業ほど不在率が高い傾向にあり、5人以下は71.4%に上った。
 業種別にみると、建設業が68.6%で最も高く、不動産業66.4%、サービス業64.2%が続いた。最も低い製造業でも52.4%に達した。
 一方、19年に県内で休廃業・解散した企業は712件で、倒産件数の3.4倍に膨らんだ。代表者の年齢別にみると、70代が全体の39.4%を占め、60代25.0%、80歳以上14.6%が続いた。
 同支店は「後継者が不在で、代表者の高齢化によって事業継続が困難になったケースが多い」と分析している。

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