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6月求人1倍割れ 非正規、外国人直撃 ハローワークに求職の列 静岡

(2020/8/1 08:43)
有効求人倍率の1倍割れが続き、外国人など新規求職者の増加が続くハローワーク掛川=30日、掛川市
有効求人倍率の1倍割れが続き、外国人など新規求職者の増加が続くハローワーク掛川=30日、掛川市

 静岡労働局が31日発表した6月の静岡県内有効求人倍率は0・96倍と6年5カ月ぶりに1倍を割り込み、立場の弱い非正規や外国人労働者らの失業が増えている。「次の仕事が見つからない」「今後の生活が不安だ」―。新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、製造業が集積する県西部をはじめ県内全域に及んでいる。
 「派遣で溶接の仕事をしていたが、4月でクビに。新しい仕事が見つからず、貯金はあと少し…」。30日午後、掛川市のハローワーク掛川。雇用保険の申請手続きで順番待ちをしていたベトナム国籍の男性(25)は、表情をゆがめ切実な思いを語った。
 掛川、菊川、御前崎各市を管内に持つ同所は4月から3カ月連続で1倍割れが続いている。「4月以降来所者が増え、特に派遣など非正規で製造業で働いていた外国人が目立つ」と西尾方宏所長。開所前から玄関に順番待ちの列ができているという。
 新型コロナの影響で外国人の求職者の増加が顕著だ。6月に県内ハローワークを利用した外国人の新規求職者は1322人で前年比2・15倍。ハローワーク掛川では新規求職者の25%を外国人が占め、通訳の対応時間を拡充し、求人概要や必要な日本語能力を他言語で紹介するチラシを作成するなどして支援を強化している。
 県内支援機関にも、非正規で働く外国人が不安な声を寄せている。静岡ふれあいユニオン(静岡市)には新型コロナを受け、県西部の自動車関連工場で働く日系ブラジル人からの相談が増えている。突然の解雇や不当な契約内容の変更、休業手当ての不払いに困惑する声が多く小沢満夫執行委員長は「失業しても次の仕事は見つかりにくい。立場の弱い非正規労働者は、処遇改善の声を上げにくい状況だ」と強調する。

 ■長期戦 覚悟を
 恒友仁静岡経済研究所常務理事の話 本県の基幹産業である自動車関連の製造業や宿泊・観光業を中心に、全業種的、全域で雇用情勢が悪化している。新型コロナウイルス感染拡大に伴う県内経済へ打撃がいかに深刻かが如実に現れている。感染拡大に歯止めがかからず、県内でもクラスターが発生していることで、一度戻りかけた消費や投資マインドの冷え込みが懸念される。経済と感染拡大防止の両立、と言うのは簡単だが、感染リスクが払拭(ふっしょく)されないと雇用環境の改善は難しいだろう。経営者は長期戦を覚悟し、事業計画や労務環境を考え直していく必要がある。

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