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低速自動運転実験2年目 ヤマハ発動機と磐田市、交通影響を検証

(2020/7/29 11:50)
「SLOW」の路面標示上を実証実験車両が走行する=磐田市新貝地区
「SLOW」の路面標示上を実証実験車両が走行する=磐田市新貝地区

 ヤマハ発動機と磐田市が市内公道で実施している低速自動運転の実証実験が2年目に入った。現在は低速車の通過を示す路面標示を新たに設置し、交通の流れに与える影響などを検証中だ。社会実装に向けて住民アンケートも取り、地域密着の新たな低速モビリティの提案を目指す。
 7月中旬、JR御厨駅から北に約2キロの新貝地区の住宅街。1周約1キロメートルの実験コースで追い越し可能な復員がある片側1車線の市道を4人乗りゴルフカーをベースにした時速19キロの電動小型車両が静かに走り抜けた。路上には車の絵柄と「SLOW」の文字を組み合わせた白色のピクトグラムと矢羽根型マークが、それぞれ約30メートルの間隔で計19カ所取り付けられている。通行量は多くないが、トラックや一般車、バイクなど走行車両は多様だ。
 実証実験は両者の連携協定に基づき、2019年7月に本格スタートした。昨年は発進や停止、走行性といった自動運転システムの機能評価を重点実施。2年目は同じ路上の自動車や自転車、歩行者などの行動パターンの変化を調べ、アンケートで低速自動運転車両への心理的な受け止めなども探っている。
 路面標示は、これまでの調査で走行リスクの軽減効果があることが分かった。春先から7月中旬まで1日4時間ずつ、手動の計8回の走行実験を実施した結果、計122台が実験車を追い抜いた。追い抜き時に側方距離がより近く、スピードが高めなどリスクを感じる車両は、標示設置前後で12・3%から1・6%に大きく減少した。
 今後も条件やエリアを変えて調査を継続し、交差点での標示方法も検討するという。
 想定するのは、スマートフォンなどで目的地を設定して自動で配車、走行し、現地に移動できるリーズナブルで快適なサービス。ヤマハ発は3年以内の国内での社会実装を目指すとしている。先進技術本部LSM開発部開発グループの荒井克広主査は「地域の率直な意見を聴き、潜在ニーズを掘り起こしたい。低速自動運転が受け入れられるためには、計画初期からの継続的な発信が重要と考えている」と話す。
 
 <メモ>ヤマハ発は「低コストなラストワンマイルの移動ソリューション」として、高齢化社会での住民の足や観光地での導入など、「低速」に特化した自動運転システムの技術開発を進めている。地中に誘導線を敷設した電磁誘導式、センサー・3次元LiDAR(ライダー)活用、工場内物流の自動搬送システム構築など、各地で有効性を検証する実証実験を展開している。

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