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ウーバーイーツ、静岡県内進出 静岡9日、浜松16日開始

(2020/6/7 07:42)
ウーバーイーツの利用開始に向け、案内準備などを進める今村哲郎さん(右)=5月末、浜松市中区のラボラトリー
ウーバーイーツの利用開始に向け、案内準備などを進める今村哲郎さん(右)=5月末、浜松市中区のラボラトリー

 事前登録の配達員が飲食店の料理を家庭やオフィスに届ける北米発祥の宅配サービス「ウーバーイーツ」が静岡県内でも静岡市で9日、浜松市で16日に始まる。新型コロナウイルス感染の第2波、第3波が懸念される中、初期投資や人件費をかけずに売り上げ回復を図れる新サービスとして、苦境に立つ飲食店の期待は大きい。利用者にとってもテークアウトや宅配分野の新サービスが次々と登場し、選択肢が広がりを見せる。
 「先行きは本当に不透明。お客のためになることは全てやる」
 浜松市中区の汁なし担々麺専門店「ラボラトリー」の今村哲郎代表(35)はウーバーイーツのサービス開始に向け、準備を進める。昼時に連日行列を作っていた店舗営業は4月中旬に休止。再開後の客数はほぼ半減の状況だ。客席はカウンターの3席のみにするなど感染防止策に万全を期すが、「外出をためらう人はまだ多い。第2波が来たら経営は成り立たない」と漏らす。
 店舗休業中に試行したテークアウトは、多い日で150食の注文を受けるなど予想以上の反響だった。感謝の連絡が相次ぎ、飲食店の社会的使命を感じたという。「災害発生時に食材を届けることもできる」と話し、ウーバーの長期的、多角的な活用を視野に入れる。
 静岡市葵区のタピオカ専門「タピスタ静岡店」は“新生活様式”の加速を見据え、ウーバーを通じた売り上げが全体の2割程度を占めると見込んで戦略を描く。売り上げの一部が配送手数料で引かれるが、浜口嘉文オーナー(42)は「自前で配達員を雇う方が負担」と話す。キャッシュレス決済で感染の心配も少ないとみる。
 登録配達員は、副業目的の会社員や学生ら柔軟に収入を得たい人が担う。両市で事前研修が進む。休業や営業自粛が続く業種もあるだけに「配達員希望者は多い」(県中部のサービス業関係者)との声も聞かれる。

 ■コロナ禍 新形態へ 多彩なサービス試行
 県内でもコロナ禍を受け、飲食のテークアウト情報をウェブサイトでまとめて発信する活動やタクシー事業者の宅配サービス、企業が従業員に近隣飲食店での注文を促す試みが始まっている。
 浜松市は民間事業者と協力し、テークアウトを行う市内飲食店と消費者、宅配事業者をオンラインで結ぶ「デリバリープラットフォーム」の構築作業を進める。実証実験を重ね、6~7月ごろの本格運用を目指す。こうした動きは「消費マインド向上につながる」と歓迎される一方、飲食店側にはコロナ収束後も、「3密」回避のための客席の間引きや滞留時間の短縮などが求められる。業績回復には経営改善の工夫や新規顧客の開拓などが迫られそうだ。
 同市内の飲食店経営者は「これからが厳しい。他店と同じことをして満足していたら、お客は戻ってこない」と危機感を募らせる。

 <メモ>米配車大手ウーバー・テクノロジーズが世界45の国と地域、6千以上の都市で展開する飲食店の料理宅配サービス。2016年に日本進出し、17都府県に拡大。提携飲食店は2万店以上で、静岡市葵・駿河両区では駅近隣の40店舗以上、浜松市は中区の70店舗以上で開始の見通し。利用者がスマートフォンの専用アプリから料理を注文し、登録配達員が30分前後で指定場所に届ける仕組み。配達状況や到着予定はスマホで確認できる。飲食店の売り上げの一部がウーバー側の収益となり、配達員には距離や時間帯などに応じ手数料を支払う。

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