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改正食品衛生法、周知遅れ 1日施行、関係団体「今こそ対応を」

(2020/6/1 07:41)
改正食品衛生法施行を前に、チラシを配布してHACCPに準拠した衛生管理を求める食品衛生指導員=沼津市内
改正食品衛生法施行を前に、チラシを配布してHACCPに準拠した衛生管理を求める食品衛生指導員=沼津市内

 食品を扱う全事業所に国際衛生基準「HACCP(ハサップ)」に沿った衛生管理を求める改正食品衛生法が1日施行された。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、事業者への周知が遅れ、静岡県と関係団体は「公衆衛生への関心が高い今だからこそ、早期対応を」と訴えるが、飲食店からは「それどころではない」と困惑の声も聞かれる。
 改正法は、多くの外国人が訪れる東京五輪・パラリンピックをにらみ、国際基準にのっとった食品衛生管理の手法を導入して食中毒や異物混入の発生防止を強化し、安全な食を提供するのが目的。衛生管理計画の策定などを義務付け、経過措置期間を経て1年後に完全施行となる。
 県衛生課によると、静岡、浜松両政令市を除いて同課が営業許可などで把握しているのは約4万5千施設。食品運搬など適用対象の事業所はさらに広範囲という。県は昨年度から、組合や協会などと連携して研修会を開催し、早めの対応を呼び掛けてきた。
 しかし、こうした活動に“急ブレーキ”をかけたのが新型コロナの感染拡大。今春の研修会は軒並み中止になり、周知に遅れが生じた。県東部の居酒屋経営者の男性(28)は「何をどう対応するべきか分からない。それよりも今は、落ち込んだ売り上げを改善することで頭がいっぱい」と困惑を隠さない。
 一方、沼津食品衛生協会は食品衛生指導員が飲食店などを巡回する際にチラシを配って周知を急ぐ。森田紀会長(79)は「難しく考える必要はなく、手洗いや調理器具を清浄に保つなど、行う内容自体は従来とほぼ変わらない」と指摘。HACCPに基づいた衛生管理は、新型コロナの感染予防に向けた取り組みと共通する部分が多いと前向きに捉える。

 <メモ>HACCP(ハサップ) 国連の食品規格委員会が推奨している衛生管理の国際基準。食品の原材料入荷から製品出荷までの工程を段階ごとに分け、それぞれの段階で食中毒や異物混入などを引き起こす要因を除去・低減させるための衛生管理計画を策定する。計画の実施状況も日々記録する。食の安全に対する信用を高める効果があるとされ、従来は海外と取引がある輸出入業者や比較的規模が大きな食品製造業者などを中心に、自主的に認証取得する動きが広がっていた。改正食品衛生法は食品を扱う全事業者を対象にHACCPに沿った衛生管理を義務付ける一方、従業員50人以下の場合、認証取得までは求めていない。

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