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農業法人と障害者橋渡し 静岡銀行、人材マッチング強化

(2020/5/23 15:00)
今後の事業展開を話し合う鈴生の鈴木貴博社長(左)とエミクルグループの木村敏哉社長(右)=静岡市内
今後の事業展開を話し合う鈴生の鈴木貴博社長(左)とエミクルグループの木村敏哉社長(右)=静岡市内

 新型コロナウイルスの感染拡大で雇用環境の悪化が懸念される中、静岡銀行が人材マッチング事業を強化している。第1弾として外国人材の受け入れ見込みが立たない農業法人と、福祉サービスを手掛ける企業の障害者をつないだ。業界を越えた人材の橋渡しが、人手不足の解消や雇用維持の新たな一手になるか注目される。
 「人が足りない中、まさに助っ人だ」。県内で野菜の生産販売を手掛ける鈴生(静岡市)の鈴木貴博社長(44)は喜ぶ。新型コロナの感染拡大でインドネシアやフィリピンからの人手を確保できなくなり困っていた。
 静岡銀は取引先への聞き取りなどを通じ、福祉サービスのエミクルグループ(同)とのマッチングが有効と判断。両社を引き合わせたところ、牧之原市の障害者施設利用者が枝豆のパック詰めなどの作業に当たることが決まった。エミクル社の木村敏哉社長(40)は「障害者は職業の選択肢がほとんどない。農業の仕事に就けることは大きい」と意義を語る。
 鈴生はもともと障害者雇用に関心があり、エミクル社の助言を受けて新たな事業展開も視野に入れる。静岡銀は「一時的な雇用にとどまらず、次のビジネスにもつながりそう。期待以上のマッチングになった」(ソリューション営業部)と手応えを口にする。
 新型コロナは地域経済の雇用にも影響を及ぼしている。消費や経済活動の縮小で従業員の雇用維持が難しくなる企業が増える一方、医療・介護や農業といった業界では人手不足に拍車が掛かる。
 静岡銀は資金ニーズへの対応という地域金融機関本来の役割に加え、人材面でも取引先を後押しする。コロナ禍で悪化が見込まれる地域の雇用を守る狙いで、収束後も人手不足などに悩む企業への支援を強化する。
 地域金融機関は日常的に地域企業との関わりが多く、取引先の経営課題や人材ニーズを把握していることが強み。静岡銀は「今後も第2、第3の成功事例をつくっていきたい」(同部)と意気込む。

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