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長泉「桃沢わさび」海外へ ドイツと試験取引、最高級の味発信

(2020/3/26 17:30)
町北部の桃沢川上流に広がるワサビ田=長泉町
町北部の桃沢川上流に広がるワサビ田=長泉町
桃沢川の水と愛鷹山の湧水で栽培された桃沢わさび
桃沢川の水と愛鷹山の湧水で栽培された桃沢わさび

 長泉町が、町北部の桃沢川上流で栽培され、官民連携で特産化を進める「桃沢わさび」の海外輸出に乗り出している。静岡県内産の生ワサビは国内での販路が確定していて海外への輸出は珍しいという。生産するカメヤ農園(三島市)の亀谷栄治代表(55)は「長泉にも最高級のワサビがあると世界に発信したい」と意気込む。
 戦前からワサビ栽培が行われていた同町。地元農家が高齢のため手放したワサビ田を町が引き継ぎ、カメヤ農園と連携して2016年から整備を進めてきた。約2千平方メートルのワサビ田で、最高級品種の「真妻(まづま)」を主力に栽培。桃沢川の水と愛鷹山の湧水のみで作られ、上品な淡い緑色とスマートな形が特徴的だ。
 輸出は、カメヤ農園が昨年7月に日本貿易振興機構(ジェトロ)主催の食品輸出商談会に参加したのがきっかけ。欧州の高級和食レストランに食材を提供するドイツの会社が桃沢わさびに興味を示し、実際に長泉のワサビ田を視察。試験的に取引を始めることになった。
 ジェトロ静岡貿易情報センターによると、県内産のワサビは高級品として高値が付き、首都圏の市場など既に販路が決まっている。海外への輸出は加工品が多く、生ワサビは珍しいという。藤本雅之所長は「これを機に県産ワサビの輸出促進につながれば喜ばしい」と期待する。
 桃沢わさびは第1弾として今月中旬、ドイツの輸入会社と取引している群馬県の食品加工会社を経由して11キロが海を渡った。亀谷代表は「海外で自分たちが作ったワサビを擦ってくれる人がいると考えるとうれしい」と笑顔を見せる。今後もドイツ側の反応や評価を聞きながら交渉を重ね、取引を軌道に乗せていきたい考え。
 町は引き続き地産地消の推進や販路開拓に努め、知名度向上を目指す。町産業振興課の担当者は、ワサビを生育できる恵まれた自然環境が町内にあることを強調し、「自分の町で採れたワサビが海外で消費されることを誇りに思ってほしい」と話している。

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