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収穫わずか200グラム 富士のワカメ不漁、再挑戦に意欲

(2020/2/20 17:02)
イベントに向け提供を受けたワカメを移植する若手漁師=15日、富士市
イベントに向け提供を受けたワカメを移植する若手漁師=15日、富士市

 シラスの不漁が続く中、富士市の田子の浦漁業協同組合青壮年部が休漁期(1~3月)の収入源として始めたワカメの養殖が苦境に立たされている。海水温の上昇などが要因とみられ、昨年末に仕掛けた種苗はほぼ壊滅。収穫できたのは目標の1トンに対してわずか200グラムだった。2月に企画したイベントでの待望の地元産ワカメの販売は取りやめとなったが、「続けることが大事」と若手漁師らは再挑戦に意欲を燃やす。
 「悔しいが、自然が相手では仕方ない」。部長の望月敏さん(39)は不漁に肩を落とす。不漁続きのシラス漁に代わる収入源確保のために2019年に本格的なワカメ養殖に乗り出した。シラスに続いてワカメ養殖も振るわず、漁師の生活に打撃を与えている。
 不漁の原因について同漁協などは海水温が例年に比べて3、4度高い16度前後であることで、生育の遅れや魚による食害が深刻化していると分析する。今後は県水産技術研究所(焼津市)の協力で食害対策などに取り組む。
 新たな特産物として田子の浦産ワカメをPRし、販路開拓を狙った初のイベント「田子の浦朝市 2323(ふさふさ)わかめ『祭り』」も不漁で開催が危ぶまれた。しかし、沼津市の静浦漁業協同組合の協力で、ワカメの提供を受けられることになり、何とか開催にこぎ着けた。予定していた田子の浦産の生ワカメ販売と無料加工サービスはできないが、加工実演やワカメ養殖のパネル紹介など展示中心に改め、名称も「わかめ展」に変更して養殖をPRする。
 15日には若手漁師が提供されたワカメを田子の浦の養殖場に移植した。望月さんは「使う種苗や仕掛け方などの研究を重ね、来年こそは田子の浦産のワカメを提供したい」と前を向く。

 ■安定生産とブランド化狙い
 田子の浦でのワカメ養殖は、田子の浦漁業協同組合青壮年部員約20人が中心となって2015年に試験養殖を開始した。年間最低1トンの収穫量を目標に掲げて、ワカメの安定生産とブランド化に取り組み、安定した収入につなげる考え。
 同漁協の養殖は約300メートルのロープに種苗が付いた糸を巻き付ける手法。18年の区画漁業権取得後、初収穫となった19年の収穫量は約200キロだった。
 田子の浦産のワカメは荒波にさらされ、歯ごたえのある食感が特徴とされる。イベント開催などを通じて魅力をアピールし、ブランド確立を目指す。
 2323わかめ展は23日午前9時から午後2時まで、田子の浦漁協で開く。問い合わせは同漁協<電0545(61)1004>へ。

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