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緑茶輸出、ブレーキ 「抹茶ブーム」健在も、18年ぶり減額

(2020/2/13 17:00)
緑茶の輸出量と輸出額の推移
緑茶の輸出量と輸出額の推移

 海外での抹茶ブームを背景に好調に推移していた緑茶輸出の伸びにブレーキがかかっている。財務省貿易統計によると、2019年の緑茶輸出量は0・1%増の5108トンと微増にとどまり、輸出額は前年比4・5%減の146億4161万円と、18年ぶりに減少に転じた。関係者は「国内と同様に、高級茶より粉末茶やドリンク・加工原料の需要が高い」と指摘。単価の下落が輸出額を押し下げたとみられる。
 1キロ当たりの平均単価は前年比138円安の2867円。抹茶や粉末茶などの区分が輸出額の60・7%、数量ベースで43・0%を占めた。輸出額ベースでみた輸出先は、米国が64億8500万円でトップ。台湾15億2700万円、ドイツ12億2400万円が続いた。
 緑茶輸出額は近年、世界的な健康志向の高まりなどを背景に右肩上がりで推移し、15年に100億円を突破。17、18年は2年連続で過去最高額を更新していた。
 けん引役になっている抹茶だが、ラテや菓子など比較的安価な食品加工向けの需要が高いという。日本茶輸出組合(静岡市葵区)の谷本宏太郎副理事長は、今後の輸出拡大に向け「世界的に抹茶の生産拡大が続く中、日本でしか作れない品質の茶や、加工技術の確立がより重要になる」と語る。

 ■静岡県内、碾茶製造を拡大
 粉末茶との合計が、輸出額の6割超を占める抹茶の生産や販売に力を入れる静岡県内茶業者が増えている。抹茶は健康ブームで人気があり、単価が高い。県お茶振興課によると、県内で抹茶の原料の碾茶(てんちゃ)を製造する工場は2018年度に4施設、19年度に1施設が加わり、計19工場が稼働する。
 海外市場をにらんで、県中西部の茶商や茶農家による共同出資会社「静岡オーガニック抹茶(SOMA)」(川根本町)は今秋の稼働を目指し、新工場を建設中。生産能力は年間約280トン。いずれも有機栽培で、全量輸出を目指す。杉谷道也社長は「有機栽培の抹茶の需要は高く、販路を広げたい」と力を込める。
 佐々木製茶(掛川市)はイスラム教の戒律にのっとった「ハラール」認証を取得。佐々木余志彦社長は「茶を飲む文化があるイスラム圏や東南アジアはまだ伸びしろがある」と期待を寄せる。

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