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三ケ日ミカン、降ひょうで苦戦 一部農園被害、出荷全体に影響

(2020/1/28 17:00)
ひょうの被害を受けたミカン=2019年11月中旬、浜松市北区三ケ日町
ひょうの被害を受けたミカン=2019年11月中旬、浜松市北区三ケ日町
三ケ日ミカンのここ10年の出荷量
三ケ日ミカンのここ10年の出荷量

 全国トップクラスのブランド力を誇る「三ケ日ミカン」産地の浜松市北区三ケ日町の一部が、2019年秋の降ひょうによって甚大な被害を受け、今季の出荷量に影響が出ている。JAみっかびによると、1万9千トンを計画していた主力品種「青島」の昨年12月下旬までの出荷量は前年同期比で5割程度にとどまっている。生育の傾向から生産が抑えられる裏年が拍車を掛け、最終的に平年を下回るのは確実とみられる。同JAの後藤善一代表理事組合長(64)は「農家にとってこれほどつらいことはない」と被害農家の無念を代弁するとともに、出荷できるミカンの品質維持を図る。
 ひょうは昨年11月11日、局地的に発生、同町北部の農園が被害に遭った。そのシーズンの需要動向を見極めるわせ品種の収穫開始と重なり、出はなをくじかれた。同JAによると、毎年1万トン前後だったわせの出荷量は8343トンに落ち込んだ。
 青島の出荷は4月ごろまで続くが、農家からは厳しい声が聞かれる。ある男性農家によると、所有する農園のほぼ全体に被害が及んでいるという。「長くミカン栽培を手掛けているが、ひょうの被害は初めて。自然が相手ではかなわない」と肩を落とした。
 同JAは出荷するミカンの品質維持のため、表面の傷の有無を細かく確認するなど「家庭選果」を従来以上に慎重にするよう指示を出したほか、被害が小さいミカンは加工用に回すなど農家の収益確保に全力を注ぐ。
 また、被害直後に状況を集約して農林水産省に陳情。農園の被害処理に掛かった費用の50%を負担する「自然災害被害果実加工利用促進等対策事業」の申し込みを農家に促すとともに、自然災害などによる収入減を補償する収入保険制度の利用も呼び掛けた。
 後藤代表理事組合長は「ことしは糖度が高く質は良い。例年以上に選果をしっかりして良いものをお届けできるようにしたい」と前を向く。

 ■ピーク「青島」27%減
 県内産ミカンは主力品種「青島」の出荷ピークを迎えているが、昨年11月に降ったひょうの影響などで数量は伸び悩んでいる。JA静岡経済連の販売実績によると、1月中旬までの累計数量は2万2926トンで、前年同期より27%少ない。1キロ当たりの単価は15%高の282円。
 JAみっかび、JAとぴあ浜松管内を中心に果実が傷んで腐敗するなどした。収穫直前の被害だったため、5000~6000トンの出荷減になる可能性もあるという。1月以降の販売数量は「記録的な不作」と言われた2年前と同程度になる見通し。
 ミカンは品質が気象条件に左右されやすい作物とされる。経済連は「ひょうだけでなく、台風や猛暑といった天候のリスクへの備えがますます重要になる」と警戒を強めている。

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