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富士宮に育て「農大和牛」 牧草メインで、赤身に 東京農業大

(2020/1/17 17:00)
牧草で育てた和牛の肉で作ったローストビーフなどの試食会=都内
牧草で育てた和牛の肉で作ったローストビーフなどの試食会=都内
牧草で育った牛(左)と穀物飼料で育った牛を並べて体格を比較した写真(東京農大提供)
牧草で育った牛(左)と穀物飼料で育った牛を並べて体格を比較した写真(東京農大提供)

 東京農業大が、富士宮市に所有する富士農場で、独自ブランドの国産和牛「農大(のうだい)和牛」の育成に取り組んでいる。脂身を増やす輸入穀物飼料に頼らず、農場の牧草を主に食べて育てた赤身中心の肉の需要を探る。ブランド確立の過程で牛の生産流通の実情を学生に体験させ、現場を知る人材育成も図る。
 生殖学を研究する岩田尚孝教授(51)の研究室が主導。国産肉牛は輸入飼料での飼育が主流で、市場では霜降り肉が高く評価されがちだが「国産の牧草で伸び伸び育てた赤身肉にも需要はあるのではないか」(岩田教授)と新しいブランド牛の創出をにらむ。
 牧草を良く食べる褐毛和種(あか牛)と、ブランド力のある黒毛和種を掛け合わせた受精卵を作成し、富士農場の乳牛に移植した。2017年に双子の子牛が生まれ、学生や、農大受験を目指す研修生らが世話をしてきた。一方の子牛は農場の牧草をえさに体重510キロに育ち、もう一方の子牛はトウモロコシ中心の輸入穀物飼料を与えて830キロまで育った。
 研究のアピールを兼ねて都内で開いた試食会では、両方の牛をローストビーフにして提供した。食べ比べた大学関係者や民間の研究者らからは、牧草で育った肉に「柔らかくておいしい」「脂っこくないからたくさん食べられる」などと好評の一方、脂が少ない物足りなさを指摘する声もあった。富士農場で牛の健康管理を担った同大大学院2年の相沢拓朗さん(24)は「研究が社会で役立つ実感が湧いてくる」と語った。
 今後は飼料のバランスを変えるなどして、市場に受け入れられる肉質を目指す。高品質の受精卵を供給する技術も重要とされ、研究室で受精卵作成にいそしむ農学部3年の原駿介さん(20)は「技術を磨きたい」と話した。

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