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スマート茶園の実証実験始動 AIが収穫量予想 牧之原、島田

(2019/12/10 17:00)
ドローンで茶園を撮影し、生育状況を確認するコンソーシアムの関係者=牧之原市
ドローンで茶園を撮影し、生育状況を確認するコンソーシアムの関係者=牧之原市
「見える化」した茶園の場所や管理状況を確認する植田善久代表理事(左)=牧之原市
「見える化」した茶園の場所や管理状況を確認する植田善久代表理事(左)=牧之原市

 静岡県内の茶農家や民間企業、行政で組織する「県スマート茶業実証コンソーシアム」が、人工知能(AI)など先端技術を活用して省力化を図るスマート農業の実証実験に乗り出した。生育状況や茶を摘み取るタイミングを情報通信技術(ICT)などで「見える化」し、管理をしやすくするのが目玉。担い手の高齢化、人手不足といった課題を先端技術で補い、生産性向上につなげる。
 本県は全国一の茶生産量を誇る一方、傾斜地などに小規模茶園が点在し、巡回や管理が農家の負担になっている。県によると、複数の農家でつくる共同工場では数百カ所の茶園を管理し、摘み取りの時期が遅れて品質が安定しないケースもある。
 牧之原市の農事組合法人「茶夢茶夢ランド菅山園」は今年の秋冬番茶シーズンから、防霜ファンに設置したカメラやドローンを使って茶園の撮影を始めた。タブレット端末の専用アプリに作業状況を記録し、生育状況を管理するためのデータを収集する。植田善久代表理事は「導入によって巡回の頻度が少なくなれば、作業時間の短縮につながる」と期待する。
 コンソーシアムは4月に発足した。実証実験は牧之原市と島田市の127ヘクタールの茶園で2021年3月まで行い、効果を検証する。今後はAIを活用して新芽の画像から収穫量を予測するツールを導入予定で、「作業時間25%削減、荒茶販売額10%拡大」を目指す。
 県内の茶産業は急須で入れて飲むリーフ茶の需要減退とともに、担い手の減少で、生産量や茶園面積の縮小が続く。スマート茶業で生産や管理のデータを活用すれば、経験が少ない人でも収穫量や品質を安定化しやすくなるとされ、新規就農者の拡大につながる期待もある。
 県お茶振興課の小林栄人課長は「生産現場の省力化や生産性向上を図るためにも、スマート農業を普及させていきたい」と話した。

 <メモ>県スマート茶業実証コンソーシアム 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)のプロジェクト採択を受けて2019年4月に設立。代表機関は県。生産側から茶夢茶夢ランド菅山園(牧之原市)、エコグリーン勝間田(同)、ハラダ製茶農園(島田市)、ICTなどの技術面でマキノハラボ(牧之原市)、カワサキ機工(掛川市)、NECソリューションイノベータ(東京都)などのメンバーで構成する。

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