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サクラエビ高値推移「需要もない」 安価な台湾産と競争できず

(2019/11/24 08:26)
湾産サクラエビの素干しが並ぶ土産物店。記録的不漁に陥ってから駿河湾産は仕入れていないという=21日、沼津港周辺
湾産サクラエビの素干しが並ぶ土産物店。記録的不漁に陥ってから駿河湾産は仕入れていないという=21日、沼津港周辺
サクラエビ漁 水揚げ量と平均価格の推移
サクラエビ漁 水揚げ量と平均価格の推移

 駿河湾産サクラエビの秋漁解禁から23日で1カ月。多くの仲買人が「需要が全然ない」との見方をしているが、少ない漁獲量や先行きの不安により相場は高値で推移している。暴騰した春漁に比べれば下落したものの、安価な台湾産と競争できる価格には程遠く、マーケットでの駿河湾産シェア回復の兆しは見られない。
 21日、多くの観光客でにぎわう沼津港周辺。秋漁の真っただ中にもかかわらず、駿河湾産の商品はほとんどなく、目立つのは台湾産。ある土産物店では、以前は駿河湾産だけを売っていたが、記録的不漁に陥ってから台湾産に切り替えた。男性従業員は「駿河湾産は高くて商売になる価格設定ができない。仕方なく台湾産を置いているが、観光客には選ばれにくい」と表情は暗い。
 漁期1カ月の1ケース(15キロ)当たり由比、大井川両市場の平均価格は約7万8千円。高騰して需要が一気になくなった2010年春漁の約6万6千円を1万円程度上回っている。静岡市清水区蒲原の加工業者は「駿河湾産が4、5万円台に下がらないと顧客は台湾産から切り替えない」とみる。
 駿河湾産の需要低迷は、“エビバブル”が崩壊し相場が底を打った11年秋ごろより深刻。複数の加工業者によると、地元を中心とする飲食店や固定客への通販など、高値でも購入してくれる顧客との取引に限定。由比の加工業者は「水揚げがゼロだった昨秋で取引が途切れ、今春の暴騰で見放された」と言い切る。
 先行きの不透明感も高値要因だ。秋漁は例年、エビの魚体が次第に小さくなる傾向にある。湾南部で漁をしている今秋は、体長35ミリ以上の割合が30%以上であることを操業条件としていて、漁期途中で打ち切るのではとの観測もくすぶる。蒲原の別の加工業者は「来春も含め、この先どうなるか分からない。注文がなくても水揚げがあるうちに、高い相場でも在庫として仕入れておかなければ」と悩ましい。

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