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森林守る、間伐材ビール 富士宮の醸造所など商品化

(2019/11/8 17:00)
仕込み用のヒノキのチップを手にする深沢道男代表=10月下旬、富士宮市のフジヤマハンターズビール
仕込み用のヒノキのチップを手にする深沢道男代表=10月下旬、富士宮市のフジヤマハンターズビール

 ビールを通じて環境問題を考えよう-。富士宮市のクラフトビール醸造所「フジヤマハンターズビール」(深沢道男代表)が、地元のアウトドア事業者や首都圏のビール醸造所と連携し、里山と林業の再生を訴えるプロジェクトを始めた。
 「BREWING FOR NATURE(ブリューイング・フォー・ネーチャー)」と題した取り組みは、9月に本格稼働。荒廃する里山の姿や、間伐が進まない森の実態、安価な外国産材に押されて苦境が続く国内林業のありようを、ビールの造り手を通じて消費者に伝える。県内や首都圏の9醸造所が参加。アウトドアブランド・パタゴニアの日本支社も、社是の一つである「環境の保護と保全」に合致するとして協力を申し出た。
 ビール醸造と猟師を兼ねる深沢さん(47)は、イノシシや鹿が里山を荒らす現状を踏まえ「里山再生には、動物の食べ物が育つように人工林を適切に間伐することが必要」と強調する。同市でアウトドア事業を営み、林業にも携わる佐野文洋さん(47)とプロジェクトの骨格を練った。間伐材の需要創出とプロジェクトの可視化を目的に、ヒノキを副原料としたビールの製造を決めた。9月上旬には、賛同した醸造所の担当者を同市に集め、ヒノキの間伐を体感してもらった。
 各醸造所は間伐材のチップを持ち帰り、麦汁に漬けるなどして個性的なビールの醸造に取り組んでいる。クランクブルーイング(東京都板橋区)の平賀久勝代表(41)は「ヒノキのビールが一杯あれば、都内の店でも問題提起できる。森の実情を客に伝え、飲む側に意識変革をもたらしたい」と語る。深沢さんは「ビールを媒介にした環境運動をさらに広げていく」と意欲を見せた。

 <メモ>「ブリューイング-」は9~10日、初イベント「富士川ビアキャンプ」を富士宮市のアウトドア施設「ナチュラルアクション」で行う。プロジェクトに賛同する醸造所が造ったヒノキのビールの飲み比べができる。富士川でのラフティングや森林ヨガなどのワークショップもある。入場無料。問い合わせはプロジェクト事務局のEメール(info@itadaku-japan.com)へ。

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