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長引く黒潮大蛇行 イカ、シラス… 静岡県内漁業不振

(2019/11/5 17:00)
1965年以降の黒潮大蛇行の期間
1965年以降の黒潮大蛇行の期間
2017年8月に始まった大蛇行
2017年8月に始まった大蛇行

 日本の太平洋側を流れる黒潮が列島から大きく離岸、接岸する「黒潮大蛇行」が長期化し、静岡県内漁業に影響を与えている。沿岸の海水温が上昇し、生息地や産卵場所が移動。解消の予兆は当面ないとされ、漁の先行きに不透明感が増している。
 真イカの水揚げが県内有数の西伊豆町仁科漁港。昨年から記録的不漁に陥り、さらにヤリイカ漁が本格化する10月以降、今月5日まで水揚げはゼロ。漁港は閑散としている。
 真イカは春から夏にかけて漁期を迎え、同港では毎年30トン以上が水揚げされるが昨年は19トンにまで落ち込み、今年は10トン前後となる見込み。
 日本周辺の海流予測を行う海洋研究開発機構(横浜市)の美山透主任研究員(49)=富士市在住=によると、現在、紀伊半島沖付近で南下蛇行した黒潮が静岡県沖に向かって北上する黒潮大蛇行が発生。2017年8月に発生して以降、2年4カ月にわたって長期化し断続的に貧栄養の暖流が駿河湾や遠州灘沖付近に流れ込み、県沿岸の平均水温が平年と比べ2~3度高い状態が続いている。
 伊豆漁協仁科支所の山本伸人支所長は「海水温が上昇するとイカは不漁傾向になる」と話す。
 シラスも不漁傾向になるとされる。県水産技術研究所(焼津市)によると、主要6港の今年の水揚げ量(3月下旬~8月)は前年から約2割減。南から黒潮に乗って北上してくるゴマサバや水温変化の影響を受けやすいテングサも不漁だ。
 美山主任研究員は「大蛇行の解消の予兆はなく、少なくとも年内は続くだろう」とみる。
 黒潮大蛇行は、同機構が調査開始した1965年以降、75年8月に始まった4年8カ月が最長。

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