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サクラエビの不漁解消、なお不透明 卵数と漁獲量、相関見られず

(2019/10/25 10:55)
サクラエビの駿河湾全体の推計卵数と漁獲量推移
サクラエビの駿河湾全体の推計卵数と漁獲量推移
由比港漁協による富士川沖と蒲原沖の卵の実数調査結果(5~9月)
由比港漁協による富士川沖と蒲原沖の卵の実数調査結果(5~9月)

 「過去10年で最大の卵数になった。約500兆粒」-。駿河湾サクラエビの産卵調査を行った静岡県水産技術研究所が24日までに明言した資源の回復。卵数と漁獲量には過去、明確な相関は見られず、漁業者の一部に不安の声があったものの秋漁は実施された。23日の初日は魚影が薄く約2・5トンの水揚げにとどまった。一方、濁りの影響が指摘される湾奥の卵の減少は、出漁判断を決定付ける要因にはならなかった。
 9月20日の情報連絡会で水技研の担当者は「漁獲規制すれば資源は増える」と胸を張った。今月8日の連絡会では雌の数や密度から漁獲可能な1歳エビを算出する卵数法で分析した資源量も提示。湾中部では今年、前年比約1・8倍になったと力説した。
 調査データをたどると、卵数と資源量に明確な相関関係を認めるのは難しい。駿河湾サクラエビは漁獲の上限を定めないため、漁獲量と資源量は連動する。2007年に水技研は約1800兆粒と推計したが、1年後の漁獲量は微減。09年を節目に漁獲量の減少傾向は顕著だ。卵数は漁獲量の目安になっても、資源回復の根拠とするのはリスクを伴う。
 濁りと不漁の関連が指摘される富士川沖と蒲原沖で由比港漁協が行った卵数調査。前年の回数を上回る丁寧な調査を実施したところ、富士川沖は半減、蒲原沖は約4分の1にとどまった。
 ただ、水技研は「卵数が増えた事実からして直接的に濁りが影響を及ぼしたとは認めにくい」との鈴木伸洋東海大非常勤講師の見解を追認、濁りを調査対象としなかった。県桜えび漁業組合の実石正則組合長は、因果関係のデータが示されれば検討する姿勢を示すが「確定的な話はなく、濁りに限定してどうだと言われても、結び付けて考えることはできない」としている。
 

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