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踏み間違い事故防止へ、測定で一役 湖西・バイオスシステム

(2019/8/14 17:04)
ストップペダルと速度・距離計を装着した車で計測試験を行う社員=湖西市のバイオスシステム
ストップペダルと速度・距離計を装着した車で計測試験を行う社員=湖西市のバイオスシステム
南平次社長(左)とストップペダルの仕組みを確認する山口哲功社長=6月下旬、湖西市のバイオスシステム
南平次社長(左)とストップペダルの仕組みを確認する山口哲功社長=6月下旬、湖西市のバイオスシステム

 アクセルとブレーキの踏み間違いによる悲惨な事故が全国で相次ぐ中、高精度の測定器開発で知られる湖西市の企業・バイオスシステムがこのほど、後付けできる踏み間違い防止装置の開発企業への技術協力を始めた。作動時間や制動距離など詳細な性能データを収集することで、装置の普及を目指している。
 踏み間違い防止装置「ストップペダル」はナンキ工業(埼玉県川口市)が開発し、今年4月に発売。南平次社長が踏み間違い事故のテレビ映像に衝撃を受け、2010年から開発に取り組んできた。そんな中、4月に東京・池袋で暴走した乗用車にはねられ母子が亡くなる事故など、踏み間違いとみられる悲惨な事故が全国で相次いで発生。事故をきっかけに防止装置への関心が急激に高まり、現在は納品するのに2、3カ月待ちの状態という。ただ、現状での大量生産は難しく、1台9万9800円の高価格が普及の障壁になっている。
 普及促進を図ろうと、自動車メーカーでの量産や行政による購入費補助をお願いしようとしても、「いくら実用性があってもデータがないと信用してもらえない」(南社長)。現状を打開するため、衛星利用測位システム(GPS)を活用した速度・距離計などを開発するバイオスシステムに詳細なデータ測定を依頼。「この防止装置があれば防げた事故は多いはず。できることは協力したい」と山口哲功社長は快諾した。
 6月下旬、バイオスシステム本社で行われた試験では、車にストップペダルと速度・距離計を装着し、実際に車を走らせた時の性能をチェックした。ペダルを踏み込んでから停車するまでの距離や、作動するために踏み込む力などを計測し、9月ごろまでにデータを取り終える予定という。山口社長は「自動車メーカーにも納得してもらえる結果を示すことで、防止装置の普及につなげたい」と意義を語る。

 ■なくせる事故 効果期待
 警察庁科学警察研究所の元交通科学部長で、ストップペダルの普及にも協力する石川博敏氏は、アクセルとブレーキの踏み間違い事故について「装置を使えばなくせる事故」と強調する。
 石川氏によると、踏み間違いを原因とする交通事故は毎年6000件ほどで推移し、死者数は数十人に上る。年齢層別に見ると、全事故に占める踏み間違い事故の割合は高齢ドライバーで高く「特に75歳以上ではリスクが格段に上がる」と指摘する。
 ストップペダルは高速状態でも機能し、ブレーキと思ってアクセルを踏み続けた場合でもブレーキがかかる仕組み。石川氏は「センサー式の衝突防止装置よりさまざまな状況に有効。普及させることで、踏み間違い事故をなくすことができる」と期待を寄せる。

 <メモ>ストップペダル 車に備え付けのアクセルと交換する踏み間違い防止装置。交換したアクセルペダル部分を一定以上の強い力で踏み込むと、ブレーキとの連動に切り替わる仕組み。切り替わった後はブレーキとして働くため、踏み間違いを続けた場合でも停車する。高速状態でも機能する。

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