静岡新聞NEWS

定置網発の養殖サバ 熱海・網代漁業、春夏も太ったサバ供給

(2019/6/20 17:03)
いけすからの水揚げ作業=17日、熱海市網代
いけすからの水揚げ作業=17日、熱海市網代
脂が乗った伊豆海サバ(上)と定置網で捕れた天然のサバ(網代漁業提供)
脂が乗った伊豆海サバ(上)と定置網で捕れた天然のサバ(網代漁業提供)

 熱海市沿岸で定置網漁を手掛ける水産会社「網代漁業」がサバ養殖に取り組んでいる。定置網で捕れた1キロ60~70円の小サバをいけすで育て、1キロ千~2千円の「伊豆海サバ」としてブランド化を目指す。定置網の不漁が続く中、漁業者自らが魚価を高める試みへの期待は大きく、いとう漁協と県定置漁業協会も全面支援する。
 養殖は一般的に稚魚を業者から仕入れ、餌は1キロ250円程度の配合飼料で育てる。だが、伊豆海サバは稚魚だけでなく、餌の大部分も定置網に入るイワシ類などの未利用魚で賄うことで、コストを10分の1程度に抑えた。
 もともと天然サバのため、配合飼料よりもイワシなど生餌のほうが食いがよく、2カ月で200グラム程のやせたサバが500グラム~1キロ超に成長するという。同社の山村豊係長は「生餌を食べることで脂が乗るだけでなく、天然物に近いうま味のある身質にもなる。1キロ十数円の安価なイワシを有効活用できる」と話す。
 同市の網代荷捌所で17日、初出荷を迎えた。初年度は年間2回養殖し、計10トンの出荷を目指す。特に天然物の脂の乗りが落ちる春から夏にも丸々と太ったサバを供給できるのが強みで、地元のほかに豊洲市場(東京)にも出荷予定だ。
 漁業関係者によると、定置網漁業者が稚魚や餌の調達、出荷まで全てを手掛ける養殖は全国的にも珍しいという。県定置漁業協会の日吉直人会長は「全国の定置網が不漁や魚の小型化に悩む中、今回の養殖は新たな事業モデルになり得る」と意義を強調した。

静岡経済の記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト