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テングサ記録的不漁か 西伊豆で漁開始、着生や生育悪化

(2019/5/17 08:12)
収穫したテングサを天日干しする漁業関係者=16日午前、西伊豆町仁科
収穫したテングサを天日干しする漁業関係者=16日午前、西伊豆町仁科
伊豆漁協テングサ水揚げ量推移(単位はトン)
伊豆漁協テングサ水揚げ量推移(単位はトン)

 伊豆半島の特産で、近年不漁が指摘されているテングサ漁が16日、西伊豆町で始まった。しかし、漁師らが海中に潜り収穫作業を行ったところ着生や生育状況がより悪化していることが判明。初漁を迎えたが、関係者からは「今年の水揚げ量は記録的な不漁になるのでは」と早くも懸念する声が聞かれる。
 「岩肌が丸見えでテングサがほとんどない」。砂浜でテングサを天日干しする漁歴40年の男性(71)は嘆いた。
 例年、テングサの生育が進む5月中旬になると、海底一面にテングサが広がる“赤紫色のじゅうたん”が見られるが、今年は記録的不漁となった昨年よりもまばらで、長さも短いという。男性は毎年、9月末までの漁期中に1週間ほど出漁して取り終えるが、「今年は3日間ぐらいしか出られないかも」と肩を落とす。「(2日目以降の)テングサの藻場が見当たらない。絶望的」と表情は厳しい。
 伊豆漁協によると、水揚げ量は1940~50年代には千トンを超えていたが、昨年は100トン以下にまで減少。水揚げ量が最も多い同漁協仁科支所は特に深刻で、昨年の水揚げ量は例年の半分ほどの30トンにとどまった。山本伸人支所長は「水揚げ量が昨年並みになれば御の字」と話す。
 静岡県水産技術研究所伊豆分場(下田市)の担当者は不漁について「潮の流れや海水温の変化が考えられるが、詳しい原因は不明」としている。
 伊豆半島産のテングサは地元漁協などを通じて全国に出荷され、根強い人気がある。漁の売上金を頼る80代男性は「昔のようにテングサが生い茂る豊かな海に戻ってほしい」と願う。

 ■ところてんが看板商品 価格高騰、頭抱える地元飲食店
 地元で水揚げされるテングサを原料にしたところてんを看板商品として扱う西伊豆地域の飲食店などは、収量減による取引価格の高騰に頭を悩ませている。
 松崎町の飲食店「さくら」では、食事サービスで自家製ところてんを無料提供している。店主の藤井淳子さんは「有料化や、ところてんを使ったメニューの値上げを検討したいが、当面は観光客の期待に応えるためサービスを継続したい」と言う。
 西伊豆町観光協会などは、毎年5月末に堂ケ島公園で「天草・ところてんまつり」を開催している。3日間で約3千食のところてんを観光客らに振る舞うが、担当者は「今後も不漁が長引けば、開催期間の短縮や食数減を検討しなければならない」と話している。

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