本音インタビュー=教育コンサルタント「ネットマン」社長 永谷研一氏 感染禍で加速 ギガスクール ICTで双方向学習を

 新型コロナウイルスの影響を受け、来春にも全国の小中学校で本格的に広がる「ギガスクール構想」。タブレット端末などの1人1台導入でオンライン教育が急速に進む一方、運用には未知な部分が多い。20年前に学習支援システム「Cラーニング」を開発したネットマン(三島市)の永谷研一社長(54)に展望を聞いた。

永谷研一氏
永谷研一氏


 ―オンライン教育の鍵は何か。
 「まずは端末を使いこなすこと。今後、社会に出てITを使わない人はいない。子供たちが鉛筆や消しゴムのようにタブレットを“自分の物”として扱えるかどうか。コストはかかるが、端末は自宅に持ち帰って使う方が良い。その上で重要なのは学習の双方向性。授業中に挙手で意見を求めても、中には多数派に流されたり、本音を語れなかったりする子供もいる。学力や性格に関係なく声を上げることで、学ぶ側の誰もが主役になれる」
 ―開発したCラーニングとは。
 「クラウド上のアプリケーション。授業で生徒が答えたアンケートの結果がすぐに円グラフになったり、コメントが映し出されたりして双方向の学習が可能になる。小テストなど11項目のコンテンツがあり、生徒が協働板にコメントを書き込めばクラス全体で考え方や学びの共有にもつながる。教員の業務も改善され、全国の大学を中心に50~60団体が利用している」
 ―開発の経緯は。
 「経験上、受け身の授業はつまらない。途中で先生に質問したりツッコんだりして、それがプロジェクターに映し出されれば面白いと思っていたところ、1999年にiモードが発売された。これを学習端末に使えないかと思ったのがきっかけだ。当時は授業中に携帯電話の持ち込みが禁止で全く売れなかったが一部の大学が実験的に取り入れてくれた。スマートフォンやタブレットの普及に伴い、少しずつ広がっていった」
 ―ICT教育で重要なことは。
 「全てにITを活用するのではなく、どのタイミングで取り入れるかが大事。例えば調べ学習が終わった子からタブレットに書き込み、それを“見える化”して生徒同士で学ぶ場にしたり。レベルに応じた予習復習にも使える。まずは教員が慣れ、引き出しを増やすことで授業の幅が広がる。ICT教育は決して黒船ではなく課題を解決するノアの箱舟になり得るはずだ」

<ながや・けんいち>1999年にネットマンを創業。Cラーニングのほか、日米で特許を取得した行動変容システムなどを開発。沼津市出身、長泉町在住。

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