石ノ塔古墳「神聖な空間」 浜松市西区で説明会、市民が見学
浜松市は13日、昨年12月から発掘調査を行っている西区伊左地町の石ノ塔古墳の調査成果を公開する現地説明会を開催した。古墳時代終末期の7世紀前半に築かれた地域の有力者層の墓で、横穴式石室や出土品の須恵器などを市民が見学した。
同古墳は民間事業者が土砂採取を行っている現場の中にある。直径約15メートルの円墳を中心とする910平方メートルの敷地を初めて発掘調査し、明らかになった形状を一般公開した。
墳丘の中央部に石で築かれた横穴式石室の長さは7・2メートル。石室の石の一部は約3キロ離れた根本山(西区)付近から運ばれたとみられ、「古墳の整備は当時大きな土木事業だったと推測される」と市の担当者は説明した。
出土した須恵器や土師(はじ)器、鉄製の矢尻や小刀も披露され、見学者は興味深そうに見入った。鈴木一有文化財課長は「人里離れた場所に設けられ、住民には神聖な空間だったはず」と語った。
発掘調査は3月下旬まで行われる予定。