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古関メロディー収録 島田・新東海製紙の旧社歌、CDに

(2021/1/25 08:30)
東海パルプ社歌が収録されたCDを手にする河村副工場長(右)と、当時を懐かしむ東海パルプOBの伊藤さん(右から2人目)=1月上旬、島田市の新東海製紙
東海パルプ社歌が収録されたCDを手にする河村副工場長(右)と、当時を懐かしむ東海パルプOBの伊藤さん(右から2人目)=1月上旬、島田市の新東海製紙

 連続テレビ小説の主人公のモデルとなった作曲家の古関裕而(1909~89年)が手掛けた社歌などを集めたCD「古関裕而秘曲集~社歌・企業ソング編」(日本コロムビア発売)に、島田市の旧東海パルプ(現・新東海製紙)の社歌が収録された。地域に根差した「東海パルプ」の名とともに高度成長期の高揚感を思わせる古関メロディーが半世紀の時を経て日の目を見ることになり、社員やOBは気持ちを新たにしている。
 同社によると、社歌が誕生した1970年は、現在でも国内屈指の生産規模を誇る抄紙機など主力となる設備が完成した年。作曲を古関氏、作詞を石本美由起氏が手掛け、「明るく強く堂々と 流れて生きる大井川」で始まる3番までの歌詞と、雄大で力強いメロディーが完成した。2人は制作にあたって同市の本社と工場を訪れ「巨大な抄紙機の動きに驚嘆した」「(排水の浄化装置などを見学し)自然を愛する東海パルプの精神をここに見つけた」などの感想を当時の社内報に寄せている。
 歌詞は社内募集も行ったといい、当時入社4年目だった東海パルプ元副社長の伊藤孝さん(79)は歌詞を応募したことを懐かしむ。結局社員の歌詞は採用されなかったが「軽快なテンポでとてもいい歌。製紙業界の激動の時代を思い出すし、CD化はとても名誉なこと」と喜ぶ。
 社歌は毎朝社内で流していたが、経営統合や社名変更を機に約10年前から使用していなかった。副工場長の河村浩伸さん(56)は「『技術を磨き』『マシンの力』など、先輩から受け継がれた教えや社風が凝縮されている」。CD化を受けて新年の社内行事で社歌を流したといい、今後はOB会でも披露する方針。「創業精神を若い人にも受け継いでいきたい」と話している。

 ■力強い音階 南アルプスに重ね
 46曲が収録された同CDで県内関係は東海パルプ社歌のみ。CDを監修した日本大の刑部芳則准教授(日本近代史)は「ゆったりしつつも力強さがあり、歌い出しの上昇音階など古関メロディーの特徴が顕著」と評価する。
 数多くの社歌や自治体歌を手掛けた三鷹淳さんが歌手を務め、東海パルプが当時の社員に配ったレコードには同社の象徴でもある南アルプスの写真が使われた。刑部准教授は「現地で構想を練った古関氏も、企業イメージと雄大な山の風景を重ねたのでは」と話す。社歌を調査した際に同社のレコードジャケットが印象に残り、CDには古関氏自身が描いたヒマラヤ山脈の絵を採用したという。

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