宇佐見さん芥川賞「誇らしい」 出身地・沼津の関係者「燃ゆ」
(2021/1/21 09:52)-
第164回芥川賞に20日、沼津市生まれの大学生宇佐見りんさん(21)の「推し、燃ゆ」が決まった。同市生まれとしては初の芥川賞作家の誕生。「中高生が書く喜びを知るきっかけになれば」「多くの人に読んでもらいたい」。地元の文学関係者らは喜びに沸き、宇佐見さんの一層の活躍を期待した。
>著書「かか」では、三島由紀夫賞に選出
沼津市中心部にあるマルサン書店仲見世店の増田淳店長は「地元の書店として大変うれしい」と顔をほころばせた。「アイドルを『推す』ことに心血を注ぐ主人公の、精神的な部分が表現されている」と、受賞の理由を推し測った。2020年に「かか」が三島由紀夫賞を受けてからは、著書の売れ行きが好調という。「すでに現代の文芸シーンをけん引している存在だと強く感じる」とし、今後の健筆に思いをはせた。
三島賞受賞を機に、沼津市立図書館は昨秋以降、SNSや館内特設コーナーを通じて著書を紹介してきた。「沼津市生まれの芥川賞作家は宇佐見さんが初。応援し続けたい」と尾和富美代館長。「かか」「推し、燃ゆ」の著書2冊は常時貸し出し中で、予約者が複数いる人気ぶり。「多くの人に読んでもらうため、蔵書を拡充したい」
沼津中(現在の沼津東高)の卒業生で第22回の芥川賞受賞者でもある井上靖(1907~91年)を顕彰する井上靖文学館(長泉町)の徳山加陽学芸員は、三木卓さんや吉田知子さん、松村栄子さんら本県ゆかりの芥川賞作家を列挙した。「21歳の若さで受賞した宇佐見さんに刺激を受けて、県東部の中高生が書くことや創作の喜びを知ってくれれば」と話し、地域の文芸興隆の契機となることを期待した。
沼津市の頼重秀一市長は「芥川賞作家の誕生を、市民として誇らしく感じる。この喜びを市民の皆さんと分かち合いたい」とコメントした。
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