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芥川賞に宇佐見りんさん「推し、燃ゆ」 沼津市生まれの21歳

(2021/1/21 09:06)
芥川賞を受賞し、記者会見で笑顔を見せる宇佐見りんさん=20日午後、都内
芥川賞を受賞し、記者会見で笑顔を見せる宇佐見りんさん=20日午後、都内

 第164回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が20日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は宇佐見りんさん(21)=沼津市生まれ=の「推し、燃ゆ」(「文芸」秋季号)に決まった。
 >宇佐見さんの出身地・沼津の関係者「燃ゆ」
 静岡県で生まれた作家の芥川賞受賞は1992年の松村栄子さん(湖西市)以来29年ぶり。
 宇佐見さんは1999年に生まれ、現在は神奈川県在住。日本文学振興会によると、21歳8カ月の同賞受賞は、史上3番目の若さという。2019年、困難を抱えた母親との葛藤を描いた「かか」で文芸賞を受けデビュー。20年には同作で三島由紀夫賞を史上最年少で受けた。
 2作目となる芥川賞受賞作は、8歳年上の男性アイドルを推す(応援する)女子高生が主人公。勉強もコミュニケーションも苦手で、熱烈な応援活動は人として扱われるための方法であり存在の「背骨」だった。しかしアイドルの不祥事を機に人生が暗転。高校を中退し、アルバイト先に解雇され、家族に見放され―。それでも応援を続け「最後のライブ」に全てをささげる切実と切迫を描いた。
 選考委員の島田雅彦さんは「言葉が非常に鮮やかで文学的偏差値が高い。若い才能を評価し、後押ししようという雰囲気が強かった」と評した。
 直木賞は西條奈加さん(56)の「心淋(うらさび)し川」(集英社)。
 賞金は各100万円。贈呈式は2月中旬に東京都内で開かれる予定。

 ■ 「私には小説が“背骨”」 憧れの賞に満面の笑み
 第164回芥川賞に選出された宇佐見りんさん(21)=沼津市生まれ=が20日、都内で記者会見し、憧れだったという同賞の受賞に「胸いっぱいで、まだ頭が追いついていないという感じ。とてもうれしい」と満面の笑みで喜びを語った。家族や日ごろ支えてくれる周囲の人たち、読者への感謝も繰り返した。
 史上3番目に若い芥川賞受賞者となった。「自分の予定よりも早かった」と若干戸惑ったような表情も浮かべながらも、重みを受け止め「若さに振り回されず、ひたすら自分の目指すものを書いていくのが、賞をいただいたことへの恩返しになる」と言葉に力を込めた。
 受賞作では、主人公の女性が「『推し』のアイドルを推す」ことを自身の生活の「背骨」と表現する。これになぞらえ「私にとっては小説が背骨。大げさではなく、これがあるからやっていけるんだという感覚は前からあった。これからもそれは変わらない」。今後も全力で創作と向き合う姿勢を話した。
 現在は3作目を手掛ける最中。今回の受賞で「舞い上がる気持ちもある」と率直に語りつつ、「今は3作目に集中したい。悪い意味で振り回されることなくいきたい」と意気込んだ。

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