故夏樹静子さん作品集め文庫開設 熱海の病院、創立45年記念で

 熱海市下多賀の南あたみ第一病院(黒木悟郎院長)はこのほど、創立45年を記念し、同病院で心因性腰痛を治療した推理作家の故夏樹静子さんの作品と、夏樹さんの主治医で元副院長の平木英人医師(85)の研究資料を集めた「夏樹・平木文庫」を院内に開設した。

「夏樹・平木文庫」の前で研究資料を手にする平木医師=熱海市下多賀の南あたみ第一病院
「夏樹・平木文庫」の前で研究資料を手にする平木医師=熱海市下多賀の南あたみ第一病院

 「蒸発」「Wの悲劇」などで知られる夏樹さんは心因性腰痛を患っていた25年前、心療内科専門の平木医師と出会った。平木医師は心理療法の一つである絶食療法を勧め、約2カ月で回復させた。夏樹さんは、その体験を著書「腰痛放浪記 椅子がこわい」にまとめている。同文庫にも納められている。
 文庫のお披露目式に出席した平木医師は「夏樹さんとの出会いは財産。まだ心療内科が普及していない時代に、講演活動などを通じて全国に広めてくれた」と感謝した。同病院については「昔からの地域医療のぬくもりを残す病院。100周年を目指して頑張ってほしい」と激励した。
 黒木院長は「今後も地域に寄り添い、患者や医療現場で働く人から選ばれる病院を目指していく」と話した。

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