浜松交響楽団「コロナ禍でも一歩前へ」 定演へ音合わせ

 浜松市のアマチュアオーケストラ「浜松交響楽団」は29日開催の第89回定期演奏会に向け、当日会場のアクトシティ浜松・大ホール(中区)で25日夜に直前練習を行った。コロナ禍でも「浜松の音楽活動を一歩前へ進めたい」との思いの下、本番指揮者やソリストと息の合った音色を奏で、士気を高めた。

29日の定期演奏会に向け、本番会場の大ホールで直前練習に臨む浜松交響楽団員と2人のプロ=浜松市中区のアクトシティ浜松
29日の定期演奏会に向け、本番会場の大ホールで直前練習に臨む浜松交響楽団員と2人のプロ=浜松市中区のアクトシティ浜松

 1976年の設立以来、定演は春と秋に開いてきたが、3月の第88回は初めて中止に。11月に向け、演奏空間のゆとりや感染対策の徹底ができる大ホールを主な会場に8月下旬に練習を再開。本番指揮者の海老原光さんをはじめ、浜松出身、在住のピアニスト今西泰彦さんも初回から音合わせに加わってきた。今西さんは「練習前後の会話を心掛け、良い関係を築けた。貴重な経験」と振り返る。
 団員歴30年以上のティンパニー今泉好雅さん(63)は「今までにない緊張感の中、責任感を持って続けてきた。スタッフと心を一つに演奏したい」と本番を心待ちにする。岡部比呂男理事長は練習再開後に体調を崩した団員が1人もいない現状を捉え、「日常生活でも対策を徹底してくれた」と感謝する。約1100人分のチケットは完売した。当日の感染防止策の再確認も入念に続け、「市民や他の団体を元気付けるきっかけになれば」と願う。

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