写真家の長船さん、未発表作展示 11月29日まで静岡・葵区

 1970年代から2000年代にかけて県内を拠点にさまざまな表現活動を試みた写真家長船恒利さん(1943~2009年)が石彫家杉村孝さん(83)=藤枝市=の作品を撮った未発表ネガフィルムが、このほど発見された。現像した写真の展覧会が、29日まで静岡市内の2会場で開催されている。

杉村さんの作品を撮影した長船さんの写真が並ぶ展覧会=静岡市葵区のサールナートホール
杉村さんの作品を撮影した長船さんの写真が並ぶ展覧会=静岡市葵区のサールナートホール

 同市内で8日まで開催された広域アートイベント「めぐるりアート静岡2020」の関連企画。フィルムは同イベント連絡会の代表を務める白井嘉尚静岡大名誉教授が、別の展覧会の調査を通じて長船さんの遺族から入手した。
 展覧会では、モノクロ写真約150点から約40点を選んで展示した。藤枝市の長楽寺、飽波神社、静岡市葵区の宝泰寺などに残された石庭や彫刻が端正に写し取られている。全て1983年9~10月に集中的に撮影したものという。白井さんは「長船さんは芸術と芸能の境目をなくすことに関心があった。杉村さんの作品から、そうしたことを感じ取ったのではないか」と推測する。
 会場は静岡市葵区のサールナートホールと東静岡アート&スポーツ/ヒロバコンテナギャラリー。観覧無料。

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