しずおか連詩の会 「天女の雪蹴り」の巻、裾野で発表会

 「2020年しずおか連詩の会」(静岡県文化財団、県主催、静岡新聞社・静岡放送共催)の発表会が15日、裾野市の市民文化センターで開かれた。さばき手の野村喜和夫さん、三浦雅士さん、長谷川櫂さん、巻上公一さん、マーサ・ナカムラさんが来場者約110人を前に、14日までの3日間で創作した全40編の連詩「『天女の雪蹴り』の巻」を朗読・解説した。

作品を発表する「2020しずおか連詩の会」に参加した詩人ら=15日午後、裾野市の市民文化センター
作品を発表する「2020しずおか連詩の会」に参加した詩人ら=15日午後、裾野市の市民文化センター

 発表に先立ち、しずおか連詩の会創始者で、晩年を同市で過ごした詩人大岡信さん(1931~2017)の妻かね子さんが「長く大岡の心をくみ、裾野で催していただきありがたい」とあいさつした。
 「(今年の)大岡信賞受賞を機に肩書に詩人を入れた」という巻上さんは、ロシア連邦トゥバ共和国の弦楽器を弾きながら、喉歌「ホーメイ」の発声で詩を詠み上げた。第37編では、朗読する長谷川さんの音程に合わせて口琴を演奏し、詩の宇宙へいざなった。
 ナカムラさんは「最初は緊張したが、皆さんが私の感覚を尊重してくださった」と謝意を述べ、長谷川さんは「洞窟の中でつぶやく告白集になるのを懸念したが、そうはならなかった」と、言葉の可能性を探究し合う3日間を振り返った。
 三浦さんは「長谷川さんと野村さんが、それぞれ両性具有性を見せた」と批評。まとめ役の野村さんは「横の流れだけでなく、各編の垂直性がはっきりした。『生と死』の主題が最後まで変奏された」と分析した。

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