発声なし、時間短縮…“新様式”で再始動 静岡県文化プログラム
(2020/11/12 14:45)-
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、3月から開催の中止や延期が相次いでいた県文化プログラムが、新しい生活様式に配慮した形で今秋再始動した。静岡県内各地で県の実施方針に基づいた感染対策を徹底し、開催方法の見直しが進む。県文化プログラム推進委員会事務局の担当者は「従来の枠組みにとらわれない工夫を凝らしたプログラムに取り組みたい」と意欲を高める。
県文化プログラムは、東京五輪・パラリンピックの盛り上げにつなげるため、2017年度から始まり、これまで認証したプログラムは延べ約千件に上る。しかし、コロナ禍で4月からプログラムは“休止状態”になっていた。
10月中旬、遊休物件などで芸術活動を行う「スケイル・ラボラトリィ」(函南町、川上大二郎代表)が、一度中止とした公演を沼津市内で開催した。8月の公演当日に外部スタッフが新型コロナの濃厚接触者と判明して急きょ中止を余儀なくされたが、その後の検査で全員の陰性が確認されていた。
公演は現代サーカス集団「ながめくらしつ」と共同制作した作品で、出演者6人が距離を取り、コンテンポラリーダンスやジャグリングなど発声なしで躍動感あるパフォーマンスを披露した。公演は50分間に短縮。観客の3密を回避するため、約200人収容の会場に20人のみを立ち見で受け入れた。
公演で演者以外は全員県内スタッフに限定するなどの対策を講じた。川上代表は「コロナ禍でも感染対策を取りながら、多くの人に納得してもらえる作品をつくり続けていきたい」と決意を示す。
■開催時は対策徹底
県はイベント開催の感染防止方針を定め、対策の徹底を求めている。主催者側には形態(屋内・屋外、全国的・地域的)や種別(コンサート、展示会、大会)に応じた対策を促す。消毒や換気、マスクの着用をはじめ、3密を回避した席配置や参加者名簿の作成、出演者の行動管理を呼び掛ける。屋外でも人と人との距離を十分確保するなどの対策を取るよう定めている。
県の方針を踏まえ、10月には熱海市の起雲閣で「熱海未来音楽祭」が開催された。浜松市中区の静岡文化芸術大でも、本県ゆかりの工芸作家の作品を集めた工芸展が約2カ月の延期を経て開かれた。
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