パン祖、反射炉…江川英龍知って 伊豆の国で「広める会」設立へ

 江戸末期の韮山代官江川英龍(1801~55年)の業績を発信しようと、江川家に伝わる古文書などを収蔵する江川文庫(伊豆の国市)の学芸員ら地元有志が中心となって「江川英龍公を広める会」を設立する。21日に説明会を三島市で開く。関係者は「さまざまな偉業を成し遂げながらあまりメジャーではないので日本全国に知ってもらいたい」と入会を呼び掛けている。

江川英龍(江川文庫提供)
江川英龍(江川文庫提供)

 英龍は江川家36代当主で太郎左衛門や坦庵との呼び名もある。2015年に世界遺産登録された韮山反射炉の築造や東京・品川沖の台場建設などを実現し、日本初の洋式帆船「ヘダ号」の建造も指揮した。兵糧のパン製造にも取り組み、「パン祖」とも呼ばれる。
 発起人の一人で同文庫主席学芸員の橋本敬之さん(68)は「いろいろと挑戦し過ぎて『英龍といえばこれ』というのがない」と苦笑しながらも「常に日本のためになることを考えていたはず」と功績を語る。会の具体的な活動内容は今後決定する。
 説明会は午後6時から三島商工会議所で開く。江川家42代当主の江川洋さんも出席予定。
 問い合わせは伊豆学研究会まちすけ<電0558(76)0030>へ。

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