駿府城大改修に「掟」 熊本大発見、細川家もめ事防止策

 熊本大は9日、大御所時代の徳川家康による駿府城の大改修で、小倉藩主の細川忠興が工事に派遣する家臣の守るべき決まりを記した文書「細川忠興駿河御普請中掟」を発見したと発表した。同大の稲葉継陽教授らが同日、オンラインで記者会見し、研究成果を明らかにした。文書には、ほかの大名家家臣とのもめ事防止などを目的に細かい規律が記されている。

熊本大が発見した「細川忠興駿河御普請中掟」(熊本大付属図書館提供)
熊本大が発見した「細川忠興駿河御普請中掟」(熊本大付属図書館提供)

 同大によると、文書は同大永青文庫研究センターが細川家第一家老だった松井家に伝わる歴史資料を調査する中で見つかり、調査した。同様の文書の原本が発見されたのは長州藩の毛利家に次いで全国で2例目だという。
 家康は駿府城を居城とするため、1607年(慶長12年)に全国の大名を動員して改修を始めた。細川家の文書は1608年1月8日付で交付された。縦約46センチ、横約127センチ。振る舞い酒やほかの家中とのけんかを厳禁することや細川家中のけんかについては両成敗にすることなど、道中や普請場での決まり13カ条を記している。
 稲葉教授は会見で「飲酒や風呂など細かい部分の規定が多い」などと内容の特徴を説明。「予想外の発見で、面白いものが出てきた」と述べた。
 静岡市は2021年4月に展示のリニューアルを予定している駿府城公園(同市葵区)内の東御門・巽櫓(やぐら)で、発見された細川家の文書を展示パネルで紹介する。

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