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念願の児童文学作家に 掛川・小川さん、文学新人賞大賞

(2020/10/15 18:01)
サインを書いた本を笑顔で渡す小川さん(右)=10月上旬、掛川市の大日本報徳社
サインを書いた本を笑顔で渡す小川さん(右)=10月上旬、掛川市の大日本報徳社
ポプラ社の第9回ポプラズッコケ文学新人賞大賞受賞作「ライラックのワンピース」
ポプラ社の第9回ポプラズッコケ文学新人賞大賞受賞作「ライラックのワンピース」

 ポプラ社主催の第9回ポプラズッコケ文学新人賞大賞に輝いた小川雅子さん(55)=掛川市=の受賞作「ライラックのワンピース」が10月、同社から出版された。28年がかりで念願の児童文学作家デビューを果たし、「諦めずにやってこられたのは児童文学が好きだったから」とかみしめる小川さん。市内の書店「高久書店」には140冊の予約が入り、新人作家の誕生に地元は熱い期待を寄せる。
 新人賞大賞を受けたのは昨年10月で、応募作品207編の中から選ばれた。受賞作は裁縫好きな少年が、ハーブ園で出会った少女からワンピースの直しを頼まれたことをきっかけに、さまざまな人の思いに触れながら成長していく物語。
 小川さんは出産を機に銀行員の仕事を辞めて本格的に作家を志すようになった。デビューまでの間、筆が進まなかった時期もあったと振り返りつつ、「児童文学は人生に対する肯定感を伝えてくれる。コロナの時代だからこそ、いろいろな世代に読んでほしい」と魅力を語る。特に、高齢読者が「登場人物に若い頃の自分の経験を重ね合わせた」と目を輝かせて感想を話してくれた時、物語の力を感じたという。
 出版に至るまで、多くの人の力とさまざまな過程があった。受賞後に何度も編集者と話し合い、4回書き直した。裁縫がテーマのため、本のカバーは布のような素材を使用。本のあらゆるところに針と糸のイラストを入れ、物語の世界観を視覚化した。イラストレーターが描いた登場人物を見た時には「あなたたちはこんな顔だったのね」と驚き、うれしさのあまり登場人物と同じ髪形にした。
 10月上旬、勤務先の大日本報徳社=掛川市=でお祝いの会が開かれた。小川さんは同社で働く傍ら、早朝や休日に執筆している。「書き続けても出版されなければ作家ではない。0を1にする作業は苦しいけど、出来上がった時の喜びを知ってしまったから今後も頑張る」と次作への意気込みを語った。
 

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