街に活気を 熱海芸妓、本格的に稽古再開 10月「華の舞」も

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、3月から稽古や公演を自粛していた熱海芸妓(げいぎ)置屋連合組合は14日、熱海市の熱海芸妓見番歌舞練場で本格的な稽古を再開した。宴席のキャンセルが相次ぐなどコロナ禍の打撃が続く中、芸妓衆は踊れる喜びを感じながら街を活気づけようと練習に励んだ。

本格的な稽古が再開し、踊りの動きを確認する芸妓=熱海市の熱海芸妓見番歌舞練場
本格的な稽古が再開し、踊りの動きを確認する芸妓=熱海市の熱海芸妓見番歌舞練場

 3密を回避するため、稽古は約20分ごとに区切り、マスクを着けた芸妓が入れ替わって行った。久々に見番の舞台に立ち、師匠の前で踊った芸妓衆は緊張しつつもしなやかな動きを見せた。
 自粛期間中は、自宅で三味線などの音楽を聴きながら自主練習を続けてきたという一代さんは「稽古の大切さを改めて感じた日々だった」と振り返った。宴席や稽古がないため、着物で出歩く機会がめっきり減っていたという蘭さんは「芸妓が動きだしたことで、熱海らしさが戻ってきたと思ってもらえたら」と語った。
 同組合は、芸妓衆のあでやかな踊りが楽しめる週末の人気イベント「湯めまちをどり 華の舞」を10月17日から見番で再開する。観客の収容人数を通常の約3分の1の50人に抑え、公演後に芸妓衆が応じていた記念撮影を中止するなど、組合が定めたガイドラインに沿った感染対策を徹底する。担当者によると、リピーターを中心に既に問い合わせが相次いでいるという。

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