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浜松交響楽団が再始動 11月定期演奏会「音楽文化絶やさない」

(2020/9/11 19:30)
活動中断を経て、約半年ぶりに本格的な練習を再開した浜松交響楽団=9日夜、浜松市中区のアクトシティ浜松大ホール
活動中断を経て、約半年ぶりに本格的な練習を再開した浜松交響楽団=9日夜、浜松市中区のアクトシティ浜松大ホール
練習後に海老原光さん(左)と打ち合わせをする今西泰彦さん
練習後に海老原光さん(左)と打ち合わせをする今西泰彦さん

 新型コロナウイルスの影響で約半年間にわたって活動を中断していた浜松市のアマチュアオーケストラ「浜松交響楽団」が9月に入り、感染防止策を徹底した会場で本格的に練習を再開した。市民に「はまきょう」の愛称で親しまれる同楽団。メンバーは「浜松の音楽文化を絶やしてはいけない」との使命感を胸に、11月29日の定期演奏会に向け、音楽表現技術の向上を図る。
 「久しぶりの演奏。気持ちよく鳴らしましょう」。9日夜、中区のアクトシティ浜松大ホール。定演本番の指揮者海老原光さんの掛け声が響いた。緊張がほぐれた団員約90人がベートーベン「交響曲第7番」やラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」など本番のプログラムを丁寧に奏でた。
 春と秋に定演を開催してきた同楽団だが、コロナ禍で3月の定演は中止を余儀なくされた。練習時もステージ上では通常より広めの約1・5メートル間隔で演奏者が座り、指揮者との間にはアクリル板を設ける。11月の本番でも観客席前方の一部座席をステージに充てて演奏空間のゆとりを確保し、来場者は通常の半数以下の千人程度に制限するなど感染防止策を徹底する。
 バイオリンを担当する会社員松嶋朗生さん(34)=中区=は「距離を取ると合わせ方が難しいが、新しい演奏形式と捉えたい」と話す。クラリネットの会社員上野小夜子さん(35)=浜北区=は「対策徹底で安心。合奏できただけでうれしい」と声を弾ませた。
 コロナ禍で定演への参加を辞退する団員もいるが、「無理は絶対にしないでと呼び掛けている」(岡部比呂男理事長)。一方で、9日の練習会場には新規入団希望者が9人訪れた。岡部理事長は「音楽を普及する役割を果たすためにも、一歩を踏み出す必要性を強く感じている。われわれが本番を無事に迎えることで、他団体の活動の後押しになれば」と願う。

 ■支えるプロ2人 幸せ故郷に届けたい
 浜松交響楽団のアマチュア演奏家を指導面で支えるのが、協演経験もある指揮者の海老原光さんと浜松市出身のピアニスト今西泰彦さんのプロ2人。今西さんは「コロナ禍でも演奏できる環境に感謝したい。どんな形に完成するかが楽しみで、幸せにつながる音楽を地元に届けたい」と目を輝かせた。
 通常、ソリストは本番の2、3日前に楽団と「初音合わせ」をして本番に臨むとされるが、今西さんは初回から練習に参加している。2カ月以上前から、本番会場の大ホールで複数回の音合わせができるのは業界では異例。同楽団の感染防止対策の徹底ぶりが、望ましい練習環境を演出した形だ。
 今西さんは音楽教室などで後進育成にも力を注ぐ。今回の演奏会を、故郷を元気づける活動の一つに位置付ける。演目のラフマニノフ第3番は最高レベルの難曲とされる上、自身にとって初挑戦。「楽団員一人一人とのコミュニケーションを大切に、一緒に時間をかけて100%を目指す」と強調する。
 <メモ>浜松交響楽団 浜松市を「楽器のまちから音楽のまちへ」との願いから、1976年に設立されたアマチュアオーケストラ。2012年4月に公益財団法人に移行し、現在は20~60代の団員約120人が所属する。市内の小中学校に出向く移動教室などの活動を続ける。定期演奏会は例年、秋と春の年2回開催。11月の定演は89回目になる。

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