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掛川でアート新様式 創作過程を郵送、完成形想像する展覧会

(2020/9/8 20:34)
羽鳥祐子さん(左)とアート作家の素材を鑑賞する矢ケ崎花音さん=8月上旬、静岡市駿河区
羽鳥祐子さん(左)とアート作家の素材を鑑賞する矢ケ崎花音さん=8月上旬、静岡市駿河区

 掛川市の原泉アートプロジェクト(羽鳥祐子代表)が現代アート作家12人の創作過程の素材を4回にわたって観客に郵送し、完成形を一緒に考えながら鑑賞してもらう「想像する展覧会」に取り組んでいる。感染症拡大で来場が困難な中、アートを楽しむ新しい形として注目される。
 2年前から市山間部の原泉地区に国内外の作家を招き、滞在型創作活動(アーティスト・イン・レジデンス)を展開しているプロジェクト。豊かな自然と人情の中で毎回斬新な作品が生まれ、昨夏滞在した野々上聡人さん(千葉県出身)は今年の岡本太郎現代芸術賞で大賞に輝いた。
 人や環境との関係が優れた作品を生む。感染症の影響で多くの作家が滞在を断念する逆境の中、羽鳥さんはこの理念を実現するため作家と観客が創作過程を共有し、より深い関係を築く試みとして素材の郵送を考案した。
 ウェブ公募で130人の観客を登録。原泉の滞在経験者を中心に国内外の作家12人が賛同し、8月から11月まで4回、絵画の下絵や構想のメモ、紙細工の断片などの素材を人数分複製して羽鳥さんに届ける。羽鳥さんが小分けして観客全員に随時発送し、観覧料としてドネーション(投げ銭)を呼び掛ける。
 観客の一人で静岡大4年の矢ケ崎花音さん(静岡市駿河区)は企画に興味を抱いて応募した。初回は特別に羽鳥さんが届けに訪れ、一緒に鑑賞した。「開封のわくわく感が楽しいし、考えながら鑑賞できる。構想がどう展開していくのか気になる」と見入った。
 作家として参加している沼津市の画家北見美佳さんは「思考の過程を整理して発信するのは初めて。難しいけれど成長につながる」と話す。原泉の自然を「神秘的」と気に入り今夏も一時滞在した。「原泉の良さもより多くの人に伝えたい」と作品に思いを込める。
 作家たちが完成させた作品は10月15日から11月15日まで原泉地区の各所で展示する。

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