豪商宅「松ケ岡」大規模修復 掛川市「市民学びの場」に整備へ
掛川市の松井三郎市長は7日の定例記者会見で、江戸時代の豪商宅「松ケ岡」(旧山崎家住宅、同市南西郷)の大規模修復工事を今月末から始めると明らかにした。2024年度まで5年間、4億円を投じて老朽化した柱や壁、屋根材を交換し、市民の学びの場に生まれ変わらせる。
母屋の修復は22年度まで。地元宮大工が元の部材を生かしながら繕う。その後、離れや長屋門も整備する。工事と並行して国の重要文化財指定に向けた手続きを進める。工事説明会も随時開催する。
財源は国の街なみ環境整備事業交付金2億円と寄付金2億円を見込む。現在集まった寄付金は約5500万円で、市はふるさと納税やクラウドファンディングなどで引き続き協力を呼び掛けている。
松ケ岡は1856年建造とされ明治天皇が宿泊したこともある。山崎家は掛川藩校「教養館」の設立支援や鉄道誘致など代々掛川の発展に尽力した。松井市長は「現代版教養館として人づくりの拠点にしたい」と述べた。