美人画、あでやかに 鰭崎英朋の企画展 三島・佐野美術館

 明治、大正期に小説や文芸雑誌の巻頭を飾る「口絵」で挿絵画家としての名を確立した鰭崎英朋(ひれざきえいほう)の企画展(佐野美術館、静岡新聞社・静岡放送など主催)が5日、三島市の同美術館で開幕する。

展示される鰭崎英朋の口絵=三島市の佐野美術館
展示される鰭崎英朋の口絵=三島市の佐野美術館

 厳しい境遇の女性を描く家庭小説が流行した明治~大正期、悩む登場人物の表情をあでやかに表現する英朋の口絵は人気を集め、物語の映画化や関連商品のヒットなど大きな反響を呼んだという。企画展では同市在住の朝日智雄さんが収集した3500点の口絵から、英朋の美人画を中心に約150点を紹介する。物語を連想させる和服姿のヒロインが木版多色刷りで鮮やかに描かれている。
 鏑木清方をはじめ同時代の画家による作品も併せて展示し、英朋が描く口絵との比較も楽しめる。下絵や差し上げなど、当時の職人が手がけた木版口絵の製作過程も紹介している。
 企画展は10月25日まで。入館料は一般・大学生が1100円、小中学生・高校生が550円。木曜休館。
 

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