詩人・吉野弘氏の歌碑 富士・フジスパークに設置

 「夕焼け」や「祝婚歌」などの代表作を持ち、富士市で晩年を過ごした詩人吉野弘氏の歌碑が、同市大淵の常葉大富士跡地に開所した複合型スポーツ施設「エスプラット・フジスパーク」に設置された。同所を訪れた吉野氏の遺族が31日、同市で初めてとなる吉野氏の歌碑を見学し、設置に尽力した時之栖(御殿場市)の庄司清和会長に感謝を伝えた。

「自分自身に」が刻まれた石碑を見つめる梅原さん(左)と庄司会長=富士市大淵のエスプラット・フジスパーク
「自分自身に」が刻まれた石碑を見つめる梅原さん(左)と庄司会長=富士市大淵のエスプラット・フジスパーク

 歌碑は、高さ約2・5メートル、幅約4メートルの御影石に作品「自分自身に」が刻まれている。ホテルの玄関から入るとロビー正面の目立つ位置にある。作品は「自分がまだひらく花だと思える間はそう思うがいい」と、自分を励ます難しさや身の処し方をつづった。庄司会長が数ある作品から選んだ。
 歌碑を見た吉野氏の次女梅原万奈さん(58)=富士市今泉=は「大きな石碑で驚いた。父も喜んでいるはず。多くの方が作品に触れるきっかけになれば」と喜び、書籍や作品集を庄司会長に贈った。庄司会長は「ここでスポーツをする人たちが奮い立つ良い詩だ」と話した。
 歌碑の設置は、梅原さんの友人で、吉野ファンとして地元で普及活動に取り組む和久田惠子さんが施設内に作品集を置くことを提案したことがきっかけになった。
 

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