挑戦者の一力 連勝 羽根のミス逃さず 静岡新聞社碁聖戦
囲碁の羽根直樹碁聖(43)に一力遼八段(23)が挑戦している第45期碁聖戦(静岡新聞社主催)5番勝負の第2局は3日、名古屋市の日本棋院中部総本部で打たれ、午後6時39分、181手で一力八段が黒番中押し勝ちし、2連勝で初の七大タイトル獲得にあと1勝と迫った。
終盤、羽根碁聖にミスが出た隙を逃さず、一力八段が勝利をつかんだ。
持ち時間各4時間のうち、残りは共に1分。
第3局は14日、東京都千代田区の日本棋院本院で行われる。
【経過】黒番の一力が二連星に構え、白番の羽根は二隅に小目を占める立ち上がり。左下隅から戦いが始まり、黒が下辺の白数子を取る。代わりに白は左辺に地を増やし、一段落した。
続いて黒は左上隅に転じて大きな地を作り、白は勢力を築いて中央の黒を攻める。羽根の攻めと一力のサバキという展開から戦いは全局に広がり、お互いに根拠の不安定な石が入り乱れる大激戦となった。
戦いの結果、白は中央の黒一団と上辺の数子を取って地を増やした。その間に黒は右辺に力を注ぎ、焦点は右辺に移る。
黒は白を攻めながら右辺と下辺に地を固め、白も右辺に根拠を作ってヨセ勝負に。その直後、右上隅のヨセで、羽根にミスが出る。一力はその隙を逃さずリードを奪い、勝ちを決めた。