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江戸期の女流歌人を一冊に 静岡の桜井さん、郷土の歌人に光

(2020/6/1 07:50)
山梨志賀子の短歌をまとめた一冊を紹介する桜井さん=静岡市葵区
山梨志賀子の短歌をまとめた一冊を紹介する桜井さん=静岡市葵区

 忘れられつつある静岡の歌人に光を-。静岡市葵区で郷土の和歌を研究する桜井仁さん(67)が、江戸から明治初期に詠まれた短歌を本にまとめる活動を続けている。時代の流れに埋もれて歌人たちの功績が失われてしまわないよう「地元の文化遺産の継承に向けた力になりたい」と意気込む。
 「旅衣いく日重ねて立ちかへり富士を見つけの名さへうれしき」。5月に出版した短歌集に収められた、桜井さんお気に入りの一首だ。詠んだのは江戸時代に活躍した清水庵原(静岡市清水区)の歌人山梨志賀子。漢学者・漢詩人として名を残す山梨稲川(とうせん)の母親だ。
 志賀子が京都、大阪、広島などを徒歩で巡った120日に及ぶ旅の帰りに磐田の見付で富士山を見て詠んだとされる。桜井さんは「志賀子の短歌は研究が進んでおらず、このままでは消えてしまう」と感じ、志賀子の619首を一冊にまとめた。
 大学時代に日本古典文学を専攻し、短歌に興味を持った。国語の教員と神主という二足のわらじを履きながら趣味で短歌にいそしみ、定年退職後は郷土の和歌の掘り起こしに力を注ぐ。江戸末期の駿府の歌人31人による合同歌集「蔵山和歌集」を解読して出版するなど、これまでに3冊を手掛けている。
 「静岡には優れた歌人がまだまだたくさんいる」と語る桜井さん。自らも短歌に携わる身として「彼らを後世に伝える責任を感じている」と奮闘を続ける覚悟だ。

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