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「芸術の力必要」再開へ準備 静岡市美術館、5月に開館10年

(2020/4/22 17:01)
開館10周年を迎える静岡市美術館=静岡市葵区
開館10周年を迎える静岡市美術館=静岡市葵区
静岡市美術館の代表的な過去展
静岡市美術館の代表的な過去展

 静岡市美術館(静岡市葵区)が5月1日、開館10周年を迎える。JR駅前の商業ビル内という利便性の高さを生かし、幅広いジャンルの美術展を市民に紹介してきた。新型コロナウイルス感染拡大を受けて20日から臨時休館中だが、学芸員は「不安な心を落ち着けるためには芸術の力が必要」と再開の準備に余念がない。
 同館はこれまで53の企画展を開催。収蔵品はないが、学芸員の自由な発想で展覧会を組み立てた。日本画、西洋画を等価に扱い、デザインや工芸品、写真もテーマとした。アニメ作品の背景画家を主題にした「山本二三展」(2014年)など、サブカルチャーにも目配りを欠かさない。エントランスでの企画展や音楽会、映画上映会なども実施し、20年3月末までの総入館者数は313万人に上る。
 近年の観覧者アンケートをみると、初めての来訪が3~4割、来訪6回以上が2~3割。リピーターが順調に育っている。田中豊稲館長は「他とはひと味違う、何か面白いことをやっているというイメージが定着しつつある。ありがたい」と感謝する。
 同館のロゴマークを制作し、折に触れて同館で講座を行うアートディレクターの柿木原政広さん(東京)はイタリア・ボローニャと交流する板橋区立美術館(同)を例に挙げ、「今後は静岡と海外の美術拠点を結ぶ文化交流事業も期待したい」と述べた。
 開館前の08年から関わる以倉新学芸課長は「学芸員が順調に育った10年」とし「今後10年は独り立ちした彼らによる充実期を迎える」と展望する。臨時休館しているが「再開後は芸術を通じて市民の不安な気持ちを和らげられるよう備えたい」と前を見据えた。

 <メモ>静岡市美術館は10周年を記念して、開催中の「ミュシャと日本、日本とオルリク めぐるジャポニスム」や、江戸時代の東海道を描いたびょうぶや版画を集めた「東海道の美 駿河への旅」(6月6日~7月19日、静岡新聞社・静岡放送など主催)など2020年度に予定する五つの企画展のスタンプラリーを行う。三つの展覧会のスタンプを集めた先着300人に同館10周年記念バッグを贈る。

 静岡市美術館 2010年5月1日、JR静岡駅北口の「葵タワー」3階に開館した。初の展覧会は同年10月の「ポーラ美術館コレクション展」(静岡新聞社・静岡放送など主催)。

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