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天守台、誰が築城? 駿府城新発見、見解さまざま

(2020/1/8 07:43)
小天守台の石垣などを調べる調査員=7日午前、静岡市葵区の駿府城公園
小天守台の石垣などを調べる調査員=7日午前、静岡市葵区の駿府城公園

 静岡市葵区の駿府城公園で見つかった「豊臣秀吉の天守台跡」に連結する小天守台跡。市が7日、秀吉の家臣が天守台を築いたとしてきた見方に加え、今回の発見で徳川家康が秀吉の力を借りて築いた可能性が出てきたとしたことで、天守台造営を巡り専門家の間にさまざまな見方が出ている。
 市は2018年10月の天守台跡の発見時、石垣の積み方や金箔(きんぱく)瓦が豊臣方の城の特徴だとして、秀吉が家臣の中村一氏に築かせたとの見解を示していた。しかし、小天守台について家康家臣の松平家忠の日記に造営に関する記述があり、時期や状況が一致するため、新たな可能性が浮上したと説明した。
 日本城郭史が専門の中井均・滋賀県立大教授は小天守台の石垣について「天正期の秀吉の城郭にみられる築城技術」が使われていると分析。二つの天守台の石垣を巨大な石を使って積み上げた技術は「家康が秀吉の家臣だった当時の体制から考えて(家康単独では)できないし、技術的にも無理」だとし、秀吉の関与が考えられると強調した。
 一方、城郭考古学が専門の千田嘉博・奈良大教授は「土木工事に精通した家忠の日記に建造の記述があり、家康の石垣と考えるのが妥当」と秀吉の関与を否定。「石垣の積み方でわずかな年代の差を判断するのは難しい」との見解を示した。
 同市の歴史文化施設建設アドバイザーを務める山本博文・東京大史料編纂所教授は「築城者や背景は現段階でいくつかの仮説が立てられる。文献史学、考古学それぞれの立場から調査研究を深めることが必要」と指摘。静岡市は誰が天守台を築いたのか、今後検討する方針だ。
 市は19日午後1時半から、同市葵区の市民文化会館で発掘調査報告会を開く。申し込みは市コールセンター<電054(200)4894>へ。

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