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「作品、価値の証し」 井上靖氏ノーベル賞候補推薦で関係者

(2020/1/4 07:33)

 故井上靖氏が1969年のノーベル文学賞選考で候補者に推薦されていたことが分かった3日、家族や関係者からは驚きとともに喜びの声が聞かれた。
 69年は、川端康成が日本人で初めてノーベル文学賞を受賞した翌年に当たる。井上氏の次女で詩人の黒田佳子さん(74)=横浜市=は「(父は)次は自分とは考えていなかっただろうし、家族も候補に挙がっていることを知らなかった。今回のニュースで『本当だったんだ』と思った」と感慨深げに語った。
 70年前後、ノーベル文学賞発表の日には、東京都世田谷区の住居に新聞記者らが詰め掛けたという。「毎年10人ぐらい門の外に立っていた。父は『寒いから中に入りなさい』と言って酒や料理でもてなした」。くつろいだ雰囲気で宴会が始まり、各社からの報で受賞者が井上氏以外の人物に決まったことが分かると一人、また一人と残念そうに帰っていくのが常だった。こうした〝行事〟が3、4年続いたという。
 井上氏は91年に亡くなった。井上靖文学館(長泉町)で学芸員を12年間務める徳山加陽さん(34)は「没後30年を前にうれしいニュース。井上作品が広く読み継がれる価値があると評価された証し」と喜んだ。

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