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富士山須走口発信、住民が一役 「巡拝の道」に着目、登拝証配布

(2019/8/5 08:35)
須走まちづくり推進協議会が配布している登拝証を受け取る登山客=7月下旬、富士山須走口5合目
須走まちづくり推進協議会が配布している登拝証を受け取る登山客=7月下旬、富士山須走口5合目

 小山町須走地区の住民が、富士山須走口登山道の歴史や文化の発信に力を入れている。かつて盛んだった拝みながら富士登山をする「登拝(とはい)」にちなんだお札「登拝証」を作り、山頂を目指す登山者らに無料配布。下山後に須走地区の中心部にある冨士浅間神社に持参すれば、専用印を受けられる仕組みだ。登山者が地区内を回遊するよう促すのが狙い。
 須走口登山道は江戸中期から昭和初期まで、富士山を信仰の対象として登る登拝が盛んだった。住民でつくる須走まちづくり推進協議会が、地域活性化を目指して知恵を絞る中で、こうした文化的な側面に着目した。
 須走口登山道を「富士山巡拝の道」と銘打ち、文化遺産を生かした地域活性化事業を支援する文化庁の補助金を受けて2016年度に取り組みをスタートさせた。
 登拝証は、かつて登山の手配を担った「御師(おし)」と呼ばれた旅館の人々が、登山者に来訪の証しとしてお札を配ったことに由来する。5合目に向かうシャトルバス乗り場と5合目の山小屋で配布している。
 登拝証の配布を始めて2年目となった今年は、冨士浅間神社と、5合目に鎮座する古御嶽神社の二つの印を受けられるようにした。山小屋では配布時に古御嶽神社の印は押印されているため、二つ目の印を得てお札を“完成”させようと、冨士浅間神社に足を運ぶ人が増えているという。
 協議会は、地区の歴史や文化を外部に伝えるための、地元住民向け講座も開いている。魅力的な写真の撮り方や、来訪者に好印象を抱かせる立ち振る舞いを身に付ける内容も盛り込んだ。登拝に使われたルートや、地区の飲食店・宿泊施設を紹介するパンフレットも作成して配布している。
 同協議会の米山一実会長(69)は「地元の人が須走の良いところを再発見し、それぞれPRできるようになれば」と期待を寄せる。

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