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伊豆に愛着、静岡県内文化人とも交流 ドナルド・キーンさん死去

(2019/2/25 07:11)
詩人の故大岡信さん(右から2人目)から依頼され、「しずおか世界翻訳コンクール」の審査委員長を務めたドナルド・キーンさん(同4人目)=1997年6月、下田市
詩人の故大岡信さん(右から2人目)から依頼され、「しずおか世界翻訳コンクール」の審査委員長を務めたドナルド・キーンさん(同4人目)=1997年6月、下田市

 日本文学研究者で24日、96歳で亡くなったドナルド・キーンさんは伊豆半島を毎年のように訪れていた。優れた翻訳者発掘を目的に静岡県などが主催した「しずおか世界翻訳コンクール」の審査委員長も務めるなど、日本文学の素晴らしさを静岡から世界に発信する活動に尽力した。県内の関係者は「日本文学への強い思いを感じた」「静岡を世界に発信する先鞭(せんべん)を付けた」と功績をしのんだ。
 1997年から2009年まで続いた同コンクールでは、詩人で17年に亡くなった大岡信さん=三島市出身=が企画委員長、キーンさんが審査委員長をそれぞれ務めて中心的な役割を担った。大岡さんの妻かね子さん(88)=裾野市=は「文学者として、お互いの強い信頼関係を感じた」と、キーンさんと静岡を結んだ大岡さんとの絆を振り返った。
 当時の知事石川嘉延さん(78)=藤枝市=は、文学を通じて日本文化を発信した同コンクールの構想について、「キーンさんは『いつか自分がやりたかったこと』と感慨深げだったと聞いた。事業にも全面的に協力してくださった」と感謝した。
 陶芸にも造詣が深かったキーンさんは30年ほど前からほぼ毎年、下田市の陶芸家土屋典康さん(73)の自宅を訪れ、交流を深めた。滞在中は同市の海岸で海水浴を楽しんだり、三島由紀夫や川端康成など伊豆ゆかりの作家との逸話も語って聞かせてくれたりしたという。土屋さんは「偉ぶったところが全くなかった。私の焼き物の話も熱心に聞いてくださった」と悼んだ。

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