(文と写真=高度専門記者兼論説委員・橋爪充)
掛川市二の丸美術館にとっては、「大冒険」と言える企画展だろう。江戸・明治期の工芸品や、近代日本画のコレクションで知られる同館には、頻繁に足を運んでいるが、これまで見たことのないような空間であった。開幕から1カ月以上たった7月23日(木)に展示を見た。実は2回目のトライである。7月4日(土)のお昼過ぎに同館を訪れたら、めまいがするほどの長蛇の列で、夕方の予定が入っていたこともあり、その日は鑑賞を諦めたのだった。小学生の子どもと保護者という組み合わせの来場者がほとんどで、館内の展示室入り口から館外にまで列が伸びていた。
今回は平日ということもあり、スムーズに入場できた。ただ、相変わらずひっきりなしに来場がある。展示室に7月8日時点で来館者が9393人(グミグミと読むようだ)に到達したとの掲示があったので、現時点では累計2万人ほどか。動員の面では、かなりの成果と言えよう。

同館は二つの展示室があるのだが、第二展示室は「グミマルシェ」と題したイベントスペースに変貌していた。フォトスポットや商品の展示もあり、さまざまなグミを実際に購入できる。学芸員の方々、ずいぶん思い切ったなという印象だ。
「学び」の要素は第一展示室に集約している。グミはドイツのハリボー社が1922年に初めて発売したもので、日本での販売は1980年の「コーラアップ」が最初だそうだ。同じ部屋には日本グミ協会所蔵の多種多様な国内発売されたグミのパッケージが並んでいる。
その数、約150。見たことのないものがほとんどである。フレーバー、味の多様さにクラクラする。自分の中にあるグミの定義が拡張されていく。
例えば「サーモン寿司グミ」。「グミを重ねてお寿司を作れ!!」とある。どうやらサーモンに見えるグミはオレンジ味、シャリに見える白いグミはヨーグルト味らしい。これを重ねて食べるよう推奨している。
「みたらしグミ」「ドンキの焼き芋のグミ」などというものもある。容易に味が想像できる。おいしいに決まっている。「おたべ監修 生八つ橋グミ」。これはどうだろうか。ニッキの香りがついているのだろうか。パッケージの写真の八つ橋には、あんも入っている。グミでどう再現するのか。「大玉チョコボール 桔梗信玄餅味」はどうだろう。「準チョコレート」の表示があるが、桔梗信玄餅の味とどう取り合わせるのか。チョコボールとグミはずいぶん食感が違いそうだが、どの程度の固さなのか。
気が付けば、展示物を見ながら、味を想像していた。「五感を刺激する」という言葉があるが、博物館に来て味覚を刺激されることがこれまでにあっただろうか。これは、「これまで見たことがない」だけでなく「これまで味わったことのない」展覧会だ。
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■掛川市二の丸美術館「グミの世界展~旅するグミ~」
住所:掛川市掛川1142-1
開館:午前9時~午後5時(月曜休館、祝日の場合は開館し、翌日休館)
観覧料(当日):一般700円、中学生まで無料
会期:9月6日(日)まで













































































