島田市の建具職人・伊藤昌弘さんにその魅力を聞きました
皆さん、こんにちは! SBSアナウンサーの影島亜美です。SBSラジオで毎週土曜日、午前7時30分から11時まで放送している「サタデービューン」では、ものづくりの分野で活躍する職人さんや作家さん、農家さんなどをお迎えし、その道の魅力やこだわりについて聞くコーナー「エコール de ビューン」をお届けしています。
6月13日の放送では、島田市にある伊藤建具店の代表・伊藤昌弘さんをスタジオにお迎えしました。

伊藤さんは、建具職人としておよそ35年にわたり活躍されています。
建具職人とは、障子やふすま、木製ドアなど、私たちの暮らしに欠かせない建具をつくる仕事です。木材それぞれの特徴や個性を見極めながら、一つひとつ丁寧に手作業で仕上げていきます。まさに、日本の文化を支えてきた職人技です。
職人技で作る、新たな作品
1966年創業の伊藤建具店は、そうした伝統技術を受け継ぎながらも、新しい挑戦を続けています。そのひとつが、「杢宙(もくそら)」です。

「杢宙」は、木をかんなで一枚一枚、光が透けるほど薄く削り、その繊細な木材をレジンに閉じ込めて照明器具として仕上げた作品です。
着色は一切しておらず、木そのものが持つ自然な色合いや木目を、そのまま生かしています。

灯りをともすと、木目がふわりと浮かび上がり、空に広がる雲のような幻想的な表情を見せてくれます。同じ木はひとつとしてないため、完成する作品もすべて一点もの。それぞれに異なる表情があり、見ているだけで心が落ち着くような温かさを感じます。

スタジオにも実物をお持ちいただきました!

照明を少し落として「杢宙」に灯りをともすと、スタジオの空気が柔らかくなったような気がしました。強く主張する光ではなく、木のぬくもりを感じる優しい光が広がり、癒やしの空間に包まれました。
その美しさを支えているのが、職人ならではの技術。木を薄く削る作業は想像以上に繊細です。木材ごとに硬さや性質も違うため、長年の経験と感覚が欠かせないそうです。
鮮やかな紫色の木材も!
今回見せていただいた木材のなかには、「パープルハート」という木もありました。
名前の通り鮮やかな紫色をしていて、「本当にこれが自然の木なの?」と考えてしまうほど、美しい色合いでした。木材というと茶色やベージュを思い浮かべる方が多いと思いますが、自然が生み出した色の豊かさに驚きました!
さらに、使用する木材には珍しい樹種だけでなく、建具製作の過程で余ってしまった端材も活用しているそうです。本来なら捨てられてしまうかもしれない木材に新たな価値を与え、作品として生まれ変わらせる。SDGsの観点から見てもとても意義深いものだと感じました。
近年は建具職人の数も減少し、仕事内容を知らない、若い世代も増えているそうです。だからこそ伊藤さんは、「まずは建具職人の仕事を知ってほしい」と話してくださいました。

職人というと、どこか厳しく近寄りがたいイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、実際にお話を伺うと、とても温かな人柄で、木への愛情やものづくりへの情熱が伝わってきました。
「杢宙」を通じて建具職人の技術や魅力に触れ、興味を持ってくれる人が増えてくれたら嬉しい…そんな伊藤さんの思いが伝わってきた時間でした。
伝統技術というと「守るもの」というイメージがありますが、伊藤さんのお話を聞いていると、守るだけではなく、新しい形で発信し続けることも、また大切なのだと感じました。
皆さんも、身近なものづくりや職人の世界に、目を向けてみてください!











































































